【G20外相・対立が先鋭化】侵攻巡り米ロ接触“対話と停戦”の実現は◆日曜スクープ◆(2023年3月5日)

【G20外相・対立が先鋭化】侵攻巡り米ロ接触“対話と停戦”の実現は◆日曜スクープ◆(2023年3月5日)

【G20外相・対立が先鋭化】侵攻巡り米ロ接触“対話と停戦”の実現は◆日曜スクープ◆(2023年3月5日)

 インドの首都ニューデリーで開催されたG20外相会合で、ブリンケン米国務長官とロシアのラブロフ外相が応酬を繰り広げた。ブリンケン米国務長官が「ロシアが戦争を終わらせ撤収するようG20が求め続けるべきだ」と発言、ラブロフ外相は「制裁や脅迫、恐喝といった新たな植民地主義に反対する」と反発し、米ロ対立が先鋭化した。G20外相会談は共同声明を出さずに閉幕、それに代わり、参加国の合意部分をまとめた議長総括を出した。一方、ラブロフ外相は侵略を巡り、インド、トルコ、ブラジル、中国など対ロシア制裁を実施していない国の外相と会談し、取り込む動きを活発化させた。ブリンケン米国務長官とロシアのラブロフ外相は2日、G20外相会合の合間に立ち話で10分ほど言葉を交わした。ブリンケン長官は、新戦略兵器削減条約、「新START」の履行を停止する決定を撤回するよう伝え、米ロ核軍縮への復帰を求めた。

 各国の外相が集うG20会合に世界中の注目が集まる中、林外務大臣は国会日程を優先し、参加を見送った。外務副大臣を代理出席させた。林外務大臣は1日の予算委に7時間以上出席したが、答弁は53秒、2日の審議は1分54秒と、2日間で3分弱だった。国会対応を優先したことに、野党から厳しい批判が向けられた。国会で予算案を審議する際、最初の基本的質疑は全閣僚が出席するという慣例を、林外務大臣が遵守したためと見られる。ウクライナ侵攻が長期化する危機下の国際会議に欠席した林外務大臣の決定に疑問視する声が挙がった。自民党の閣僚経験者は「日本はG7議長国だから極めて問題だ優先順位を間違っている自分のことしか考えていないという発信になってしまった」などと今回の事案に懐疑的な見解を述べた。

 習近平国家主席は1日、ベラルーシのルカシェンコ大統領と北京で会談した。ウクライナ情勢に関する意見交換も行わた。習近平国家主席は、「中国の立場の核心は和平交渉の促進だ」と発言、これに対し、ルカシェンコ大統領は「ベラルーシはウクライナ危機の政治的解決に関する中国の立場と主張に完全に賛成する」と述べた。ルカシェンコは大統領、在任29年、習近平国家主席、在任10年で直接会ったのは、今回の首脳会談で13回目となる。今回の会談目的について、習近平国家主席は、2022年9月にベラルーシと結んだ「全天候型で包括的な戦略的パートナーシップ」のさらなる発展のためだと会談冒頭で説明した。習近平国家主席は、2月24日に「各国の主権尊重」「和平交渉の開始」「一方的制裁の停止」など12項目を記した「対話と停戦」を呼掛ける文書「政治的解決に関する中国の立場」を発表していることに触れ、「中国の立場の核心は、和平交渉の促進だ」としている。

 米国務省当局者は2月28日、米国が制裁対象としている中国企業が、ロシアの民間軍事会社「ワグネル」に衛星画像を提供していたと公聴会で発言した。中国企業側は「契約や資金の流れを調査した結果、ワグネルとの業務上の関係は存在しなかった」と関与を否定した。ブリンケン米国務長官は「中国は、ロシアへの重大な軍事支援を検討しているという情報がある」と指摘を繰り返しているが、中国は全面的に否定している。G20外相会合に先立ち、ブリンケン米国務長官は、中央アジアのカザフスタンを初めて訪問した。旧ソ連構成国だった中央アジア5カ国の外相らと会談、今後の関係強化を進める考えを表明した。米国には、ウクライナ侵攻でロシアの影響力が低下する旧ソ連圏への関与を強める狙いがあると見られる。

★ゲスト:駒木明義(朝日新聞論説委員)、山添博史(防衛省防衛研究所)
★アンカー:橋本大二郎
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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