警備員配置の学校は9.7%…不審者侵入どう察知?見るべきは「学校の門」 17歳高校生が中学校で教員切りつけ逮捕|TBS NEWS DIG

警備員配置の学校は9.7%…不審者侵入どう察知?見るべきは「学校の門」 17歳高校生が中学校で教員切りつけ逮捕|TBS NEWS DIG

警備員配置の学校は9.7%…不審者侵入どう察知?見るべきは「学校の門」 17歳高校生が中学校で教員切りつけ逮捕|TBS NEWS DIG

「誰でもいいから人を殺したいと思った」。埼玉・戸田市の中学校で60歳の男性教員が刃物で切りつけられた事件。殺人未遂の疑いで逮捕されたのは17歳の男子高校生でした。学校への不審者侵入、どう防げばいいのか?専門家に聞きました。

■17歳男子高校生「誰でもいいから人を殺したいと思った」

ホラン千秋キャスター:
埼玉・戸田市の中学校で60歳の男性教員が刃物で切りつけられた今回の事件を整理していきます。事件が起きたのは埼玉県戸田市の美笹中学校です。男性教員が上半身を複数回切りつけられ、腹も刺されましたが命に別状はなく、生徒たちは避難し無事でした。

殺人未遂の疑いで逮捕されたのは17歳の男子高校生です。取り調べに対し「誰でもいいから人を殺したいと思った」と供述をしています。警察によりますと、犯行に使ったとみられる凶器はナイフで中学校の廊下から見つかりました。犯行当時、複数の凶器を所持していたということです。

当日は期末試験中の時間帯でした。細かいところまではわかっていませんが大きな流れとしては、▼午後0時半ごろ校舎3階の教室に少年が侵入▼試験監督の男性教員(60)が気づき生徒を避難させる▼廊下でもみ合いになる▼男性教員3人が駆けつけ少年を取り押さえたのですが、男性教員はこの最中に刺されてしまったということです。

同じ3階で試験を受けていた中学2年の生徒は「突然廊下から「救急車呼んで」って声が聞こえた。「バリケードを作りますか」って先生に言っている子もいた」と話してくれました。

この事件を受け、3月1日に学校側は対応として▼教師が付き添い生徒をグループに分け集団下校▼午後7時半から臨時保護者説明会を開催しました。臨時説明会では▼事件の概要▼2日の期末試験を延期▼スクールカウンセラーによるケアを実施することが説明されました。

■学校の安全守るには"門が開いている=おかしい"

少年は「門から入った」と供述しています。学校には門が2か所あり、侵入経路は捜査中の段階です。

学校の不審者対策はどのように行っているのでしょうか。文部科学省の「学校の危機管理マニュアル作成の手引」では▼IDカードをや受け答えに不自然な点はないかチェック▼複数の教職員で対応
▼退去しなければ110番通報などが書かれています。

学校ではどのぐらい対策をしているのでしょうか。文部科学省が2018年に調査したところ97.3%の学校が不審者対策をしていました。具体的には▼インターホン63.5%▼防犯カメラ58.1%▼警備員配置9.7%となっています。

安全教育学がご専門の大阪教育大学藤田大輔教授によりますと「避難所にもなる学校は物理的に完全に封鎖することは難しい。普段から門を閉じておくことで、門が開いている=おかしいと早く気づける。危機管理マニュアルは訓練して見直していくことが大事」ということです。

今回逮捕された少年は2月13日から度々、切断された猫の死骸が見つかっている件についても"自分がやった"という趣旨の話をしていて、警察は今回の事件との関連性などを慎重に調べているということです。

井上貴博キャスター:
学校側は不審者対策にどこまでコストと人手を割けるのかというバランスも含めて大変悩ましいんだろうなと思います。

萩谷麻衣子弁護士:
厳重な警備というのはコストもかかるし生徒さんたちに対する心理面での悪影響も心配です。猫の死骸との関連があるかわかりませんが、何か兆候がある場合には学校も警察と連携をして情報共有などをしていく必要があるのかなと。期間についてはある程度厳しい警備体制を整えていくような体制にしていくほうがいいと思います。

アメリカの学校では「ロックダウンドリル」という侵入者に対する避難訓練を年に何回か行っていて、学校中で警報が鳴ると近くの教室に入って数分以内に施錠してロックダウンするんです。もし教室に入れない子がいたら、独自にトイレなどの個室にこもって避難するという訓練をしています。日本はアメリカと違い銃社会ではないにしてもやはり何か学ぶものがあるという感じはしますね。

井上キャスター:
どのような家庭環境や背景だったのか。少年事件なので報道されにくくなると思いますが、今後こういったことを起こさないためにはどうすればよいのでしょうか。

萩谷麻衣子弁護士:
過去の少年事件の資料は非常に重要なんですが先日、家庭裁判所が重大な少年事件に関する記録を廃棄してしまったニュースがありました。少年事件は非常に資料的にも価値があるものなので、研究分野を確立して分析し、それによって再犯を防いでいくような方向にしていかなければいけないと思います。

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