【トルコ大地震】死者5万人超 批判の声が強まる…古い耐震基準の建物を放置か
トルコ南部の大地震では、隣国シリアと合わせ、死者が5万人を超えました。トルコでは、耐震性の低い建物を放置してきた「人災」との声も強まっています。さらに、地元メディアは、横行する違法改築も倒壊の原因として指摘しています。
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2月6日にトルコ南部で起きたマグニチュード7を超える大地震で、死者はシリアと合わせると5万人を超える甚大な被害が出ています。
26日、地震のすさまじさを物語る場所を訪ねました。
オリーブ畑が広がるトルコ南部にある村。畑の中を進んでいくと、畑を真っ二つに分断する巨大な地割れが現れました。地震で生まれた新たな“谷”です。その深さ数十メートルに及ぶとみられ、幅50メートルほどの亀裂が約300メートルにわたって延びているといいます。
近くの村の住人に、地割れが起きた時の様子を聞きました。
近くの村の住人
「まるで何かが爆発したような音がしました。息子が『お父さん向こう側が爆発した』と言ってたのです」
「(暗がりの中で)緑色の光が見えました。そして、稲妻が光っていました。倒れ込むような感じになり、自力で逃げられなかった。本当に最悪な状況でした」
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巨大地震の爪痕はここだけではありません。25日に訪れた南部の街「カフラマンマラシュ」では、建物が跡形もなく崩れ落ちていました。がれきの中には、つぶれた車もありました。
現地の建築関係者によると、倒壊した建物のほとんどが2000年以前の建物で、古い耐震基準でつくられたものだったということです。
トルコエンジニア建築士会議所 カチャマズ支部長
「新たな基準に基づいて建て替える必要があることは(行政に)伝えていたんです。古い建物の倒壊は、耐震性の不足を監督機関が放置したことが原因です」
さらに、地元メディアは別の原因も指摘しています。
震源に近い南部「ガジアンテプ」を訪ねると、完全に崩れて穴があいたような状態になっている場所がありました。以前、この場所にあった高層マンションが地震で倒壊し、跡形もなくなっていたのです。数十人が亡くなりました。
地元メディアが倒壊の原因として指摘したのは、違法改築の可能性。1階部分にあった店舗のスペースを広げるため、柱を切ったというのです。
隣の建物の住人
「あっという間に崩れました。ここには姪とその父親がいましたが、6日間がれきの下敷きになって亡くなりました」
横行する違法改築について、地元メディアは当局の監視が不十分だと指摘しています。
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各地で建物の崩壊が相次ぐ中、27日にトルコ東部で再び、マグニチュード5.6の地震が発生。建物が次々と倒壊したのです。トルコ政府によると、29棟が倒壊、1人が亡くなったということです。
こうした中、イスタンブールのサッカースタジアムでは、試合中に観客が「政権は去れ! 政権は去れ!」と政権の退陣を求め、路上では、警察がデモ隊を拘束する事態になりました。
高まる国民の不安といら立ち。被害拡大の原因は「人災だ」との声が強まっています。
(2023年2月28日放送「news every.」より)
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