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【独自】違法釣り人“海面ギリギリ”真冬の沖堤防 過去に転落死も…渡船業者の言い分(2023年2月28日)
東京湾に浮かぶ沖堤防。立ち入り禁止にもかかわらず、多くの釣り人たちの姿がありました。釣り人を堤防に渡す船の業者を直撃。その驚きの言い分とは…。
■“違法釣り人”タコ・シーバス狙いズラリ
2月の寒さが厳しい東京湾に、異変が起きています。
釣り人たちがいるのは、神奈川県の東扇島沖にある、通称「川崎新堤」です。四方を海に囲まれた「沖堤防」と呼ばれる防波堤。そもそも、波が沿岸に打ち寄せるのを抑えるため、沖合に作られたものですが、その上には、多くの釣り人たちがいました。
釣り人:「(Q.何が釣れる?)タコ釣ってます」「シーバス。1匹逃がしちゃった」
様々な魚が釣れ、開放的な雰囲気のため、釣り人たちからは「海のオアシス」と呼ばれています。
しかし、「立ち入り禁止」と書かれている場所に、立て掛けられているのは、釣り人の釣りざおやクーラーボックス。ここは、行政が立ち入り禁止に指定している場所。実際、昨年末には、警察が無許可で立ち入った違法釣り人5人を検挙していますが…。
釣り人:「許可もらってるから。渡船屋さんが渡してくれているから大丈夫」「安全面も、ライフジャケット着てるから大丈夫」
立ち入り禁止にもかかわらず、渡し船を出す業者も存在していて、出るはずのない許可を取ったと主張する釣り人たち。東京湾には、このような沖堤防が、他にも複数確認されています。
取材を進めると、さらに危険な沖堤防が確認できました。
時折、腰ほどの高さまでの波しぶきが上がるなか、釣りをしているのは、2人の高齢男性。遠くから見ると、海の上に立っているような状態です。
■海面ギリギリ…違法釣り人「クロダイ釣れる」
一部が崩落した堤防の上に立つ無法釣り人たち。一体なぜ、こんな危険な場所で釣りをしているのでしょうか?
釣り人:「(Q.何を釣っている?)クロダイ。よく来ますよ」
防波堤のギリギリに潜んでいるクロダイを短いさおを使って狙う「落とし込み釣り」の好ポイントになるといい、他にも、カレイやマダイ、アイナメなど様々な魚が釣れるといいます。
釣り人:「(Q.危なくない?)危ない時は、船が出ないから」「(Q.上陸禁止と書かれていますが?)駐車違反と一緒だから。駐車違反と一緒」
駐車禁止の取り締まりと同様に、よくあることだと主張したいのでしょうか?さらに、子どもを連れた大人の姿もあります。
釣り人:「逆に、何で撮っているんですか?」
神奈川県横須賀市にある沖堤防群。八景島シーパラダイスなどの沖にあり、近くにはアメリカ海軍の横須賀基地など軍事施設もあります。そのうち、野島防波堤は国が管理していて、上陸禁止と明記。2003年以降、釣り人2人が転落死しています。
釣り人:「(Q.落ちたら危険なので、気を付けて下さいね)落ちたら通報行くから、大丈夫」
■命の危険に直結…専門家「非常に危険」
海難救助の専門家は、沖堤防の危険性について指摘します。
水難学会 安倍淳副会長:「水温がこの時期低く、10℃前後。(転落すれば)意識不明までの時間が非常に短く、30分程度で身体が動かなくなる。(海に)落ちた時のショックによっては、心臓発作」
2月の東京湾の海水温は10℃ほどで、転落した場合、命の危険に直結するといいます。
安倍副会長:「非常に危険と言わざるを得ない。そもそも立ち入り禁止なので、立ち入らないでほしいが…」
■転落の危険も…渡船業者HPに「自己責任」
さらに、沖堤防の周りは潮の流れが非常に速く、助け舟が来るまでに15分ほどかかるこの場所では、遠くへ流されてしまう危険もあります。
釣り人を運ぶ渡し船の業者は、どのように認識しているのでしょうか?
掲げられていたのは、立ち入り禁止のはずの野島防波堤への渡し船乗り場を示す大きな看板。事務所を訪ねると、業者の代表が取材に応じることになりました。その真意は…。
渡船業者代表の男性:「(Q.野島堤防の危険性について)海に落ちても、ライフジャケットあれば、すぐには死なない。それを危ないと言うかどうか、それは分からない。人によって(認識が)違うのでは。(客には)それなりの意識を持ってやってもらってるし、十分かどうかは別として、安全対策なり、意識を持ってもらっている」
上陸禁止の沖堤防に渡していることについては…。
渡船業者代表の男性:「やみくもに上陸禁止にせず、安全対策をして、事故が起きないよう所有者がすれば、安心して上陸OK出せるわけですよね?(沖堤防の本来の)目的は波を止めることかもしれないけど、そこを有効利用。別の目的で使っても、悪くはない」
この業者のホームページには、目を疑うような内容が書かれていました。
渡船業者のホームページ:「最終的に堤防に降りるのは、自己判断&自己責任です。関東直下型の大地震では、防波堤そのものが崩壊する可能性があります。津波が発生した場合、救出に向かえない可能性があります」
渡し船の乗船料金は、1人3000円~4000円ほど。万が一、死亡事故などが起きても、自己責任だというのです。
業者の代表は、一方的な主張を繰り返します。
渡船業者代表の男性:「一概にダメとせず、安全対策をしながら、釣りが継続できるようになってほしい。むしろ、テレビ朝日さんも、そういうスタンスの取材をして」
(「グッド!モーニング」2023年2月28日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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