「戦場でロシアに勝つことは不可能」プーチン大統領が演説でウクライナ侵攻を改めて正当化…侵攻いつまで続く?【news23】| TBS NEWS DIG #shorts

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ウクライナ侵攻後初めてとなるプーチン大統領の年次教書演説は約2時間にわたって行われました。プーチン大統領が特に時間をかけて強調したのは「侵攻の正当性」と「欧米への批判」でした。

■プーチン大統領 演説で強調したのは“侵攻の正当性”と“欧米への批判”

日本時間21日の午後6時すぎ、ほぼ予定通りに始まった注目の「年次教書演説」。
プーチン大統領は冒頭、「困難な時期に演説している」としながら、国民にこう訴えました。

ロシア プーチン大統領
「私たちの国と私たちの人々の未来を決定する、最も重要な歴史的出来事が起こっている時です。私たち1人ひとりに大きな責任がある時期です」

会場には国会議員のほか、侵攻に参加する兵士も。
約2時間にわたった演説で、特に時間をかけ強調したのが“侵攻の正当性”と“欧米への批判”でした。

プーチン大統領
「ウクライナで形成されたネオナチの脅威を排除するため、特別な軍事作戦を実施することが決定された」
「(親ロシア派地域のドンパスは)ウクライナ側に憎まれながらロシアに救ってもらうのを待っていた」
「私たちはウクライナ国民と戦っていないことを強調したい。戦争の展開、侵攻拡大、犠牲者が多くなったことはすべて西側、またキーウ政権の責任」

また、アメリカやドイツなどがウクライナに対し、武器供与を行っている現状について強くけん制しました。

プーチン大統領
「西側から提供される武器の射程が長いほど、私たちも西側を射程に入れざるを得ない。戦場でロシアに勝つのは不可能」

■アメリカ・バイデン大統領はウクライナ支援を改めて呼びかける見通し

一方、ウクライナの首都キーウを電撃訪問した、アメリカのバイデン大統領。
極秘だったその詳細が明らかになりました。

バイデン氏はポーランドの空港に到着後、目立たない形で駅へ移動。列車で10時間近くかけてキーウに入ったといいます。ワシントンから同行を許された記者は2人だけ。キーウ到着まで、携帯電話は没収されていたということです。

バイデン大統領
「この国の独立と主権と領土の一体性を守るために、揺るぎない支援を示すためにここに来ました」

バイデン氏はこのあと、移動先のポーランドで演説を行い、ウクライナに対する各国の支援を改めて呼びかける見通しです。

■「戦場でロシアに勝つことは不可能」 今後中国がどこまで踏み込んでくるかが鍵

山本恵里伽キャスター:
プーチン大統領は約2時間に及んだ演説の中で、ウクライナの侵攻を改めて正当化しました。

▼演説のポイント
・ロシアへの脅威を取り除き、安全保障を確保するため必要な課題を解決する
・戦争を開始したのは西側諸国で、我々は終戦に向け力を入れている
・戦場でロシアに勝つのは不可能
・制裁による経済的危機は克服された
小川彩佳キャスター:
この演説のどこに注目されますか?

笹川平和財団 畔蒜泰助 主任研究員:
一言あげるとすれば、ウクライナ侵攻はロシアの存在に関わる戦いだということを言った。この発言からも絶対負けられない戦いであり、戦い続けるのだという意思がにじみ出ているということだと思います。

全体として見た時に、ウクライナ侵攻に対しては基本的に今まで発言したことの繰り返しになっている側面はあったかと思います。

小川キャスター:
実際、ロシアの独立系世論調査機関によりますと、軍事侵攻が1年以上続くと答えた方が43%にのぼっている。ロシア国内の一般の方々も長期化するという意識を持たれていることになりますが、いつまで続くと考えますか?

笹川平和財団 畔蒜 主任研究員:
ロシアの財政を見た時に、西側でもいろんな調査が出ているわけですが、言われているところでは少なくとも財政面で見たら2年くらいはロシア戦争継続能力があるのではないかということがひとつ。

それから、装備品の生産などで非常に重要な鍵を握っているのは半導体です。半導体に関しても、実は中国経由で入っていて、侵攻当時はガクンと減ったが2022年9月くらいから半分くらいまで輸入量が戻っている。そのほとんどが中国・香港経由だと言ってますので、中国の支えがロシアの戦争を継続するうえで非常に重要な鍵を握っているということだと思います。

小川キャスター:
中国の存在によって余裕が生まれていると?

笹川平和財団 畔蒜 主任研究員:
余裕とまでは言えないまでも、ウクライナは西側から全面的な軍事支援を受けているなかで、ロシアも財政的には石油を売って、あとはこれまでの資金を貯め込んでいるものがありますけど、装備品・半導体などは非常に手に入りにくいということで、その点は中国が主力で入ってきてるということです。

小川キャスター:
中国が今後どう絡んでくるかが戦況を大きく左右していくということですね?

笹川平和財団 畔蒜 主任研究員:
今、実は中国の王毅政治局員がモスクワを訪問していて、22日中にもプーチン大統領と会うのではないかという話もあり、その先に春にも習近平国家主席が訪ロするのではないかという情報も出てきてますので、そういう流れから中国もロシアに対して一歩踏み込んでくることになると、ロシアとしてもこの戦争の継続の可能性が高まることになると思います。

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