バイデン大統領“キーウ訪問”戦況にどう影響? 専門家「支援のターニングポイント」(2023年2月21日)
車や列車を乗り継いで、ウクライナのキーウを電撃訪問したバイデン大統領。
今回のバイデン大統領のキーウ訪問は、今後の戦況にどのような影響を与えるのでしょうか。
防衛研究所・高橋杉雄さんは、「世界のウクライナ支援のターニングポイントになりうる」と話しています。
■キーウ電撃訪問の“狙い”は「結束を再確認」
侵攻からまもなく1年、世界のウクライナ支援は“揺らぎ”も出ていました。
戦車の供与に踏み切らないドイツをポーランドが批判するなど、NATO(北大西洋条約機構)内でも亀裂が入りかけていました。
またアメリカ議会でも、消極的な意見が出始めていました。
防衛研究所の高橋さんによると、「ウクライナ国内だけではなく西側諸国、そしてアメリカ国内にも、支援を続けていくということをアピールした」と分析しています。
こうした動きが加速すれば、戦況はウクライナに有利に傾くことが考えられます。
そして高橋さんは、「アメリカが慎重だった長距離ミサイルの供与も、何らかの進展があるのでは」と推測しています。
■「ATACMS」供与で…戦況はどう変わる?
そのミサイルというのが、長距離地対地ミサイル「ATACMS(エイタクムス)」です。
「ATACMS」があると、戦況はどう変化するのでしょうか。
現在、ウクライナが持っているミサイルは射程80キロほど。ロシア側はこれを分かった上で、弾薬庫などを届かないところまで下げているといいます。
「ATACMS」の射程は300キロとなるため、弾薬庫までミサイルが届くようになります。「ATACMS」が届かないところまで弾薬庫を下げるとなると、ロシア側の前線が後退することになります。
さらに、戦闘機の供与も議論が続いていますが、バイデン大統領の訪問をきっかけに「世界がどこまで踏み込むのか注視する必要がある」と、高橋さんは話していました。
(「スーパーJチャンネル」2023年2月21日放送)
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