ミャンマーへの人道支援“届きにくい”現状 クーデターから1年、日本にできることとは

ミャンマーへの人道支援“届きにくい”現状 クーデターから1年、日本にできることとは

ミャンマーへの人道支援“届きにくい”現状 クーデターから1年、日本にできることとは

ミャンマーは1日、軍のクーデターから1年を迎えました。タイとの国境地帯では、軍の無差別な攻撃で住居を追われた人々に支援が届きにくい現状があります。日本を含めた国際社会にできることを探りました。

記者
「ミャンマー軍の攻撃を逃れて来た人々が、タイとの国境の川沿いに質素な小屋を建てて生活しています。子どもや、女性、高齢者の姿が目立ちます」

ミャンマーと国境を接するタイ北西部。クーデター後、国軍の空爆によって多くの死傷者が出ています。去年12月以降には、市民と連携する少数民族武装勢力と軍との間で戦闘が激化。数千人が避難する事態となっています。身の安全を確保するには、タイ側へと逃れるほかありませんが、人々の前に立ちはだかるのが「国境」という大きな壁です。

日本経済大学 井本勝幸特命教授
「タイ側に来ても、いまタイ政府は難民を受け入れない状態なので、入ってきても逃げてきても、押し返されているという状態」

井本さんはこれまで、国軍と少数民族武装勢力との和平交渉に深く関わってきました。少数民族への農業支援に取り組んでいるほか、先月中旬には国境地帯に入り、日本からの寄付金で購入した簡易トイレをタイ側の避難所に設置したほか、日本人有志とともに飲料水や毛布、薬などの支援を行いました。

しかし、国境を越えてミャンマー側に支援物資を届けるためには、複雑な交渉が必要になると言います。

日本経済大学 井本勝幸特命教授
「大規模な人道支援というのをミャンマー軍が嫌っている。あくまでこれは通常の国境交易であるという形で、少量ずつであれば(物資の支援を)許可すると」

いま、国境地帯の避難民の命は、タイで暮らすミャンマー人コミュニティーからの寄付によって、かろうじて繋がれている状況です。

タイに住むミャンマー人男性
「米や油、塩、どれも十分ではありません。もっと多くの食料が必要です。国際的な支援があると助かるのですが」

ミャンマー軍側と直接交渉できることを強みとしてきた日本政府だからこそ、果たせる役割があると井本さんは考えています。

日本経済大学 井本勝幸特命教授
「(日本政府として)対話のチャンネルは残しておかなくてはならない。しかし同時にミャンマー国民の危機ですから。人道支援は人道支援であると、内政干渉にはあたらないと毅然と言うべきでないか。ミャンマー国民はいましっかり見てますからね。日本がどういう対応をいましたのか、これは歴史に刻まれますので」

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(02日16:12)

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