「失業給付」制度見直しへ “自己都合”転職を後押し歓迎も…“押し付け”横行を懸念(2023年2月21日)
岸田文雄総理大臣は、国が支給する失業給付の仕組みを見直す検討に入りました。転職を進めやすい環境を整えることが目的で、歓迎の声が上がる一方、懸念も広がっています。
■「自己都合」転職を後押し “押し付け”横行を懸念
岸田総理:「労働移動を円滑化するため、自己都合で離職した場合の失業給付のあり方の見直しを行う」
倒産や解雇など「会社都合」で離職した場合と、転職など「自己都合」で離職した場合とでは、給付内容に差があります。
会社都合では7日間の待機期間後に給付されますが、自己都合では7日間に加え、原則2カ月間の「給付制限」を経た後でないと受け取れません。
こうした自己都合の人にとって不利な条件が、転職などを妨げているという問題意識が、見直しに向けた動きの背景にあるとみられます。
IT関係(30代):「(見直しに)賛成です。待機期間がなくなるから、平等にもらえ始められる感じで、すごくいいと思う」
一方、労働団体の「連合東京」の斉藤千秋事務局長は見直しによって、自己都合の押し付けが横行しかねないと懸念します。
斉藤事務局長によりますと、会社都合の離職の場合、退職金を割り増しする規定がある会社が多いといいます。そのため、本来は会社都合でも、自己都合にするよう従業員に促し、会社側が割り増しから免れようとするケースが今後増える恐れがあると指摘しています。
斉藤事務局長:「無収入の状態が短くなることはいいと思う。会社は『辞めても所得補償(給付)あるから』って言って、『失業保険もらえばいいんじゃないの』と言いやすくなるので。本来あるような職場の中の課題が見えないまま、退職していく人が増える可能性があると思う」
(「グッド!モーニング」2023年2月21日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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