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「死に慣れてしまうのでは」ウクライナ→新潟に避難の夫婦が抱く “戦争長期化”による懸念|TBS NEWS DIG
ロシアによるウクライナ侵攻が始まってから今月24日で1年となります。新潟県小千谷市にウクライナから避難している夫婦は、戦争の長期化で「人々が死に慣れてしまうのでは」と不安を抱えています。
解け残った雪に陽が降り注ぎ、キラキラと輝いていました。夫婦にとって初めての“新潟の冬”です。
イリナ・シェフチェンコさん
「雪かきをしないといけないから大変。でも楽しくしています、雪は好きです」
ウクライナ東部の都市ドニプロで暮らしていたイリナさん(38)とムタルさん(36)夫婦。去年5月、新潟県の中越地方に位置する人口3万4000人の小千谷市に避難してきました。
イリナ・シェフチェンコさん
「日本語分かりません。たすけた…助けてください」
最初に避難したスロバキアで、小千谷市が避難民を受け入れていることを知りました。頼れる人もなく、言語も分からない中で日本に逃れようと決めたのは、ガーナ国籍の夫・ムタルさんが海外で悩まされた“人種差別の壁”がありました。
ムタル・サリフさん
「スロバキアでは20以上の仕事の面接を受けましたが、全て断られてしまいました」
ウクライナで医師として働いていたムタルさんですが、日本ではその職を続けることはできませんでした。
錦鯉の養殖が盛んな小千谷市でアルバイトとして働くことになったのは、“養鯉業者”でした。収入は、ウクライナに残るイリナさんの家族への仕送りや夫婦の生活費に充てました。
ムタル・サリフさん
「外科医として働くことはずっと夢でしたし、その夢はまだ捨てたわけではありません。でも今は生きていかないといけないですから」
去年の夏、2人は3年ぶりに開かれた長岡花火を観覧しました。太平洋戦争の末期にアメリカ軍による空襲で犠牲となった1488人を悼み、平和と復興を誓う花火です。
“ウクライナに一日も早く平穏な日々をー”特別な思いで打ち上げられた青と黄色のやわらかな光を、夫婦は深く、心に焼き付けました。
イリナ・シェフチェンコさん
「来てくれてありがとう」
そして今月…。2人は小千谷市でチャリティバザーを開催しました。寒さと爆撃に震えるウクライナの子どもたちを支援するのが目的です。
イリナ・シェフチェンコさん
「戦争が長期化したために、きょうも多くの市民が死に、街が壊され続けていることを人々は忘れ始めてしまっています」
侵攻から1年。夫婦はふるさとから8000キロ離れた小千谷市で、家族を、ウクライナを思っています。
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