デートをすれば地域に知れ渡る…移住は“のんびり”“静か”とは限らない 経験者に聞く移住のリアル【解説】|TBS NEWS DIG
移住者への“7か条”に波紋を呼んでいます。ただ、移住相談窓口等において受け付けた相談件数は2021年度には過去最多を更新しています。そこで移住経験者に移住のリアルを聞きました。
■移住者へ“7か条”と町の課題
上村彩子キャスター:
移住者に向けた暮らしの心構えが波紋を呼んでいます。
「池田暮らしの7か条」を改めて内容を見てみましょう。
第4条では「今までの自己価値感を押し付けないこと」
「これまでの都市暮らしと違うからといって都会風を吹かさないように心がけてください」
そして第5条では
「どんな人か、何をする人か、どうして池田に」と品定めされることは自然です。
郷に入っては郷に従えという言葉もありますが、少し上から目線なんじゃないかなと思うような文言も入っています。
では、池田町はなぜこのようなものを公表したのでしょうか?福井・池田町役場 総務財政課の森川弘一課長にお聞きしました。
「表現は少しきつくなってしまったが、移住者の方には来ていただきたい」
取材をしてみると、池田町のいろいろなことが見えてきました。
池田町は約9割が森林に囲われていて、農業や畜産が盛んな地域です。
そして人口を見てみますと、30年ほど前の1992年には4334人いたんですが、ずっと下がってきて、2022年には2327人で半数近くの人が減ってしまったわけですね。
さらに、町内の45.5%が65歳以上の高齢者ということで過疎化、そして高齢化が進んでいる地域です。
そして移住の方を呼び込もうと、いろいろなこともしています。
YouTubeで伝統行事や自然体験を発信してPRをしているんですね。そのこともあって、毎年約20人ほどが移住してきているんだそうです。
このように移住者を受け入れる一方で、こんな悩みも見えてきました。
池田町は日本有数の豪雪地帯で、冬は雪に覆われてしまいます。
先ほどの森川課長にお聞きしたところ
「地域の人々が助けあい雪かきしないとインフラを維持していけない」ということです。
内閣府地域活性化伝道師の山下斉さんによると、都会では草刈りや雪かきなどを業者に委託するので、住民は基本的にノータッチで大丈夫なんですが、地方では業者がそもそも少ない、そして資金も乏しいので住民の方たちが自分たちで行わなければなりません。
では、改めてもう一度「池田暮らしの7か条」を見てみますと…
第2条
「草刈り機は必需品です」
「このことを『面倒だ』『うっとおしい』と思う方は、池田暮らしは難しいです」
さらに、第7条では雪のことにも触れています。
「池田町には『雪で争うな、春になれば恨みだけが残る』という教えがあります。積雪時、大雪時での譲り合い、助け合いを心掛けてください」
事情をしっかりと知ってほしいというのが本当の思いなのかもしれません。
井上貴博キャスター:
確かに所々表現強いなと思いますけど、でもそれは過去にそういったトラブルがあったことの裏返しなのかなという気もして、いくらでも取り繕うことができると思うんですよ。素敵な街です来てください!って。でもそういう建前を並べるのではなくて、ミスマッチを防ぐためにむしろ先に悪い情報というか、不利な情報を提示するっていうのは、個人的には町の覚悟というか誠意というか感じたところもあるんですけどね。
ホラン千秋キャスター:
こういう移住の話って、成功した方の話って結構取り上げるんですけれども、
やっぱり自然環境が合わなかった、コミュニティに馴染めなかったと言って、
元いた場所に戻る方も大変多いと聞きますので、コミュニティが小さくなればなるほど本当にいろんなことが密になっていくと思うんですよね。
その中でこれだけある意味、ド正直に伝えることによって、トラブルを防ぐっていう意図が強かったのかなって受け取れますよね。
井上キャスター:
怖い、この町に行きたくないっていう方は行かなければいいし、他の方が批判するのも、ちょっとお門違いなのかなという気もしてしまうんですよ。
上村キャスター:
実際に相談件数もものすごい数でして、総務省のデータなんですが、各自治体にある移住相談窓口において受け付けた相談件数は高い水準です。
移住相談窓口等において受け付けた相談件数(総務省HPより)
2015年度 141,683
2016年度 213,469
2017年度 260,166
2018年度 298,132
2019年度 315,744
2020年度 291,082
2021年度 323,931
2021年度には過去最多を更新、32万3931件もの相談が来ているということなんです。
■デートすれば地域に知れ渡る… 地方移住の理想と現実
4年前に、都心から佐賀市に移住した、38歳の山本卓さん(38)。
佐賀市を選んだのは、移住のイベントで佐賀の担当者から話を聞き、魅力を感じたからだといいます。
一人暮らしの山本さん。のんびりと静かな田舎暮らしを求めていた、そうなんですが、現実は違いました。
田舎暮らしといえば古民家、と思って住んでみたが、大量の…(https://newsdig.tbs.co.jp/list/article?id=jnn-20230216-6068503)
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