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『N分N乗』少子化対策の効果は?「子ども育てやすい」導入のフランスを現地取材(2023年2月13日)
岸田総理が、最重要政策と位置付ける少子化対策をめぐっては、児童手当の“所得制限”撤廃などが検討されていますが、ほかにも、たびたび挙がる言葉があります。『N分N乗』方式。これは所得税の算出方式のことです。
ここでいう“N”は、世帯の人数を意味します。現在、働く人それぞれに課せられている所得税ですが、『N分N乗』方式では、所得を世帯で合計し、子どもも含めた“N”で割ることから計算を始めます。そのため、子どもの数が多いほど、税負担を軽く抑えられるという仕組みです。
これを取り入れている国を取材しました。女性1人が一生の間に産む子どもの数を示す合計特殊出生率が先進国のなかでも高いフランスでは、80年近く前から、『N分N乗』方式が取り入れられてきました。戦争で減った人口を戻すためです。
パリ近郊で、夫と3人の子どもと暮らすマリーアメリさんも、税が軽減される一人です。眼科で働くマリーアメリさんと、エンジニアの夫を合わせた課税所得は、日本円で約700万円。それが『N分N乗』を5人家族に適用すると、175万円に大幅に減るそうです。
3児の母・マリーアメリさん:「支援されていることを実感しています。所得税は1%程度しか払っていません。本来の所得税であれば3人目は持てなかったと思います。私たちにとって、その差は大きなものです」
街の声です。
パリ市民:「この制度で、税額はだいぶ変わります。子どもを育てしやすいです」
パリ市民:「制度があるから子どもを産みたいというより、子どもをさらに産みたいときに経済的な負担を気にしないで済みます」
好意的な受け止めがある一方で、「少子化対策の効果は低い」と話すのはフランスの人口学の権威です。
仏社会科学高等研究院のエルベ・ルブラズ氏:「フランスの全世帯のうち50%は、所得税を納めるだけの収入がありません。低所得層は、そもそも政策の対象外なのです。『N分N乗』方式が正しい手法かはわかりません。『子どもを増やせ』と提唱するより、社会的な取り組みが必要です」
そんな『N分N乗』ですが、自民党内には、導入は難しいとみる声もあります。
自民党の閣僚経験者:「フランスは少子化対策をパッケージでやっている。これだけ取り出して、日本に当てはめるのは無理がある」
財務省も懐疑的です。
鈴木財務大臣:「世帯構成や片働き・共働きなどによって生じるメリット・デメリットの差異をよく考える必要がある」
◆年収によって、どれぐらい所得税の税率や金額が変わるのか、具体的に見ていきます。
例えば4人家族を例にとって説明します。父親か母親、どちらかが働いている片働きで、子どもは2人とします。
現行制度で計算すると、年収が600万円の場合、基礎控除などを引いた課税所得は295万円。その場合、税率は10%、そこからさらに控除が入り、最終的な所得税は19万7500円になります。
一方、議論されている『N分N乗』税制方式では、課税所得の295万円を家族の人数で割ります。ただ、子どもは1人につき0.5人で計算します。夫+妻+子ども2人で3。3で割ると、課税所得は98万3000円になります。この場合の税率は5%で、1人当たりの所得税は4万9100円。3を掛けると、世帯当たりの所得税は14万7300円です。現行制度との差額は、5万200円となります。
次に年収1500万円の場合です。
現行制度では、課税所得は1057万円になります。税率は33%で、最終的な所得税は195万2100円になります。『N分N乗』税制方式では、課税所得が352万3000円になります。その場合、税率は20%で、世帯当たりの所得税は83万1300円です。現行制度との差額は112万800円となります。
年収が600万円でも1500万円でも所得税は下がりますが、年収が高いと税率が下がるので、所得税も大きく下がることがわかります。そのほかにも、税収自体が下がってしまうという面もあります。
この方式を採用しているフランスの学者、エルベ・ルブラズ氏は『フランスは長い年月をかけて家庭と仕事は両立できるという考え方を醸成した。社会的な取り組みが必要』と話しています。フランスでは税制だけでなく、『妊娠・出産の医療費の全面無料化』『高校までの授業料無料(公立)』などの少子化対策を行っています。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>



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