【報ステ】「占領地ある限り終わらず」侵攻1年…大越がウクライナ大統領最側近に取材(2023年2月10日)

【報ステ】「占領地ある限り終わらず」侵攻1年…大越がウクライナ大統領最側近に取材(2023年2月10日)

【報ステ】「占領地ある限り終わらず」侵攻1年…大越がウクライナ大統領最側近に取材(2023年2月10日)

ロシアによるウクライナ侵攻が始まって、まもなく1年。大越健介キャスターが首都キーウで取材を続けるなか、ウクライナ全土に空襲警報が出されました。

大越キャスター:「午前8時半過ぎだったんですけど、地下にシェルターがありますので、今から降りようと思います」「ここは駐車場の一角ですが、我々外国プレスが多い場所ということもあって、ほとんどここで作業しているプレス関係者も多いです。避難をしてきたという方もいれば、ほとんどここを拠点にして原稿を出稿したり、執筆したりとかいう人たちですね」

同じころ、キーウの地下鉄の駅でも避難する人たちが集まってきていました。

肩を寄せ合い、危険をやり過ごす人たち。空襲警報が鳴れば、こういった場所に避難し、解除されるのをひたすら待つ。それを日々繰り返しています。

避難した人:「ミサイル攻撃の情報は、インターネットで確認します。攻撃が遠ければ家で待機します。私たちの近くに来たら、地下室に身を隠します」

避難する人たちは、ホームにまであふれていました。

早朝から始まった今回の空爆は、西はリビウから東はハルキウ、南はオデーサなど、ウクライナのほぼ全土に及んでいます。

ウクライナ東部では今月中旬から、ロシア軍の大規模攻勢が始まるとの観測が出ていましたが、もうすでに始まった模様です。

こうしたなか、ウクライナ政府の最高幹部の1人、ミハイロ・ポドリャク大統領府顧問にインタビューすることができました。

ポドリャク大統領府顧問:「(Q.ロシア軍がウクライナ東部で大規模攻撃を始めたとの情報がある。これは確認していますか?)ロシアはルハンシク州やドネツク州で、すでに攻撃を仕掛けている。近距離の戦闘が多く、激しい銃撃戦となっている」

アメリカのシンクタンクは、ロシア軍がルハンシク州で主導権を取り戻し、大規模攻勢を始めたと分析しています。

ポドリャク大統領府顧問:「(Q.今回の攻撃は、ウクライナに深刻なダメージを与えると思いますか?)1年間戦争をしてきたが、ロシアがウクライナに、これ以上のダメージを与えるというのは、本当におかしな話です。ロシアは、各地のインフラ施設などを絶えず攻撃しています。前線だけでなく、大都市やエネルギー施設なども。ロシアには、多くのりゅう弾砲や多連装ロケット、装甲車などがありますが、すべてソ連時代の武器なので、正確な攻撃ができません。ウクライナは、パートナーから最新の武器をもらいました。我々の力は1年前とは違います。さらなる攻撃に備えています」

ただ、それでも武器がまだまだ足りないというのが、ウクライナ政府の訴えです。

ゼレンスキー大統領は今月、欧州各国を歴訪し、さらなる武器供与を訴えました。

これまで戦闘機の供与には否定的だった国々の態度にも変化が見え始めたようです。

ゼレンスキー大統領:「欧州の指導者たちから、航空機を含む、必要な武器を提供する用意があると聞きました」

ポドリャク大統領府顧問:「(Q.ゼレンスキー大統領が欧州諸国を訪問して、戦闘機供与を含む、さらなる支援を求めていますが、このタイミングになった理由は?)戦争には様々な局面があります。局面が変わった今、休戦はできません。一時休戦とは『後に戦争が再開される』ということ。国民が国に戻れず、経済も再開できないということ。『ウクライナを消滅させる』という、ロシアの思惑通りになるのです。領土を奪還するために、武器が必要だと訴えています。ロシアは、戦力を集中させ、兵士たちを動員しました。つまり、これは賭けです。勝つか負けるか」

これまで「年内にも勝利できる」という見方も示していたポドリャク氏。今、どう見ているのでしょうか。

ポドリャク大統領府顧問:「現状を分析すると、武器供給の遅れがあります。とても重要な課題で、まずは大砲と装甲車が必要です。残念ながら、去年の秋は武器の提供がなく、ようやく武器が届きました。今はパートナー国も、中途半端な戦争終結はあり得ないと理解しています。戦争終結の意味をはっきりさせるべきです。ロシアが勝利したら、欧州は終わりです。武器の供給が遅ければ、占領地域の奪還も遅れます」

アメリカは先週、戦車に加え、新たにロケット弾の供与を発表しました。射程は150キロ。ロシアが一方的に併合を宣言した、クリミアにも届く射程です。

ロシア側は、クリミアが攻撃されたら、核攻撃も辞さないと脅しています。

メドベージェフ前大統領:「交渉はしない。報復攻撃だけだ。ウクライナ全土が炎に包まれることになる」

ポドリャク大統領府顧問:「(Q.一部の専門家は、クリミアの重要性に着目して『戦略次第では、クリミアを孤立化できる』と指摘しています。どうお考えでしょうか?)占領地がある限り、戦争は終わりません。ロシアの占領地は、日本にもありますよね。ロシアの占領によって、戦争は終わっていないのです。世界は長い間、気付かないふりをしてきました。2014年、戦争の第1段階で、ロシアがクリミア半島も含めて、我々の領土を占領した時にも、世界はそのことを当たり前のように見ていました。『領土を渡したら平和が手に入る』実際にはそうはいきません。1991年時点の国境まで、ロシア軍を追い出すのです。戦争の結末については、その後に話し合う。これが戦争を終わらせる唯一の方法で、それ以外の手段では、戦争を継続させることになるのです」 (C) CABLE NEWS NETWORK 2023
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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