暗闇に1人で耐え…2歳児を救出 トルコ大地震“死者2.1万人超”届かぬ支援に怒り(2023年2月10日)

暗闇に1人で耐え…2歳児を救出 トルコ大地震“死者2.1万人超”届かぬ支援に怒り(2023年2月10日)

暗闇に1人で耐え…2歳児を救出 トルコ大地震“死者2.1万人超”届かぬ支援に怒り(2023年2月10日)

 トルコ南部で発生した地震による死者は隣国のシリアと合わせて2万1000人を超えました。現地では建物の倒壊のほかに、地盤沈下や液状化現象など、被害が広範囲に及んでいます。

 水に覆われた町。雨は全く降っていないものの道路は冠水。1メートルほど水位が上がり車が水没している場所も見られます。地震後、地盤沈下により町全体が沈み海面が流れ込んだのです。

 トルコ南部の沿岸にある町・イスケンデルン。普段は地中海をのぞむ観光地が一変。海水と土砂に覆われたのです。震源地からおよそ100キロ離れていますが海外メディアによると、ここは埋立地が多く一部では液状化現象も発生。

 シリアでも地震により洪水が引き起こされました。場所はトルコとの国境近くの小さな村。大雨が降った後、地震が発生。近くのダムが決壊し大量の水が押し寄せたのです。

 地震発生からすでに4日。生存率が著しく低下する「72時間」が経過。希望の光が薄まるなか。がれきから響く鳴き声。暗闇に1人ぼっちで耐え抜いた2歳の男の子を救出。72時間の壁を越え、倒壊した建物のなかに生き残り、次々に助け出される子どもたち。  

 しかし「奇跡の救出劇」は、すべての町で起きるわけではなく。次々と運び出される遺体。家族の死んだ現実を受け入れられない人や言葉にならない声を上げ悲しむ女性。10台以上の救急車が待機するもほとんど動かないまま。捜索活動は続くも増えていく遺体の数。

 専門家は今回被害が拡大した要因に、建物が垂直に潰れるパンケーキクラッシュ現象が起きた可能性を指摘。

 東京大学地震研究所・楠浩一教授:「上と下の階がきれい重なる。主に柱が建物の重さを支えているが、その柱が瞬時に破壊され、建物を支える能力を一気に失った結果、建物の階がぺったんこになる」

 また、シリアでは支援物資が届かずいまだ救助隊がこない地域も多く、メディアに対し海外からの支援を訴えます。「地震よりアサドのほうが悪い」と書かれた紙を持ちながらアサド政権を批判する住民も。スタジアムを埋め尽くすように並ぶ仮設テント。家や親を失った多くの子どもたちがここに移りました。しかし被災した場所によっては支援物資が届いていない場所も。

 被災者:「トイレが使えないしシャワーもない」

 今なお、水も食糧も届かず残った住民同士で身を寄せ合い、厳しい寒さのなか援助を待ち続けています。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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