震源付近「複雑な断層」建物倒壊で救助活動続く…トルコ・シリア地震 死者5000人超(2023年2月7日)
トルコ南東部の大地震発生から36時間。被害の全容が見えないまま、手探りでの救助活動が続いています。
一刻を争う時間との戦い。マンパワーは足りていません。
住民:「救助隊さえ送ってもらえない。朝からずっと待っているのに。(Q.がれきの下での救助活動は)行われていません。自力で何とかしたくてもできません。(Q.がれきの下には)兄と母がいます」
この24時間で死者は3倍以上増え、5000人を超えました。いまだ、がれきの下に取り残されたままの人も多く、犠牲者は数倍に上る可能性もあります。
今回、マグニチュード7を超える大地震に2回も見舞われました。原因とみられるのは、この地が、3枚のプレートが接する領域に位置していること。震源付近には、そのうちの2つがぶつかる大きな断層があり、膨大なエネルギーが蓄積していました。その断層の一部がズレたことによって、大地震が引き起こされたとみられます。
東北大学災害科学国際研究所・遠田晋次教授:「地震を起こした断層の長さは、まだよくわかっていないが、150~250キロ前後。そのくらい長い活断層が一気に動くので、相当、広い範囲で震度7、6強という強い揺れが分布する。(この規模の断層が引き起こす地震は)1000年、数千年に1回ということだと」
最初の大地震以降、この断層に沿うように、大小含めて300回近くの地震が起きています。トルコ国内だけでも倒壊した建物の数は、5700棟以上に上っています。
懸命な救助活動は、シリアでも続いています。シリアの置かれた状況は、さらに深刻です。長年、政府側と反政府側との紛争が続いていますが、地震が起きたトルコとの国境近くにある反政府側の勢力圏では、政府側の支援は一切届きません。
住民:「私の息子、娘、婿、まだがれきの下敷きです。誰も助けてくれないし、機械も何もない」
住民:「助けてください。私たちには何の能力もありません。子どもたち、妻たち、老人たちは、皆、がれきの下にいる。すべてが破壊されました。
遺体を回収するのに数カ月かかる。災難だ、何もできない」
いま、求められているのは、命をつなぐための支援です。
『難民を助ける会』トルコ駐在の樋口正康さん:「(トルコに避難した)シリアの人たちは、車なんか持っていないので、いまのこの地震で被災した状況で、スタックしてしまっているという状況。水の支援だったり、食べ物の支援が当面必要だし、小さいお子さんがいるところは、粉ミルクや食べ物も必要だし、外で寝なくてはいけないという人も相当いるので、毛布の支援だったり、短期的に乗り切れるような支援はすぐにしてほしい」
トルコでも、数日前から寒波に見舞われていて、救助や支援の手が届くまでに時間を要する地域もあります。
◆被害が大きかった街・ガジアンテップには、伊従啓記者が陸路で向かっていますが、渋滞に巻き込まれ、まだたどり着いていません。電話で現地の状況を聞きました。
伊従啓記者:私が今いるのはガジアンテップという主要都市から40キロくらいのところのトゥルクオールという街です。朝、200キロ離れたアダナから出発しましたが、半分くらいあたりから、全く動かない渋滞が始まりました。
(Q.渋滞の理由は)
伊従啓記者:高速道路に亀裂が入っていて、完全に止められています。主要な交通網が遮断されているため、一般人も緊急車両も含めて、一般道に流れ込んできている状況です。非常に混んでいる。街の中で倒壊するのが怖いということで、家から離れて、郊外の建物が倒れてこないところに逃げているという話を聞いています。震源地に近づいてくるにつれ、深刻になってきていると感じます。夜は氷点下になってしまう、寒さの厳しいところです。きのうも雪がちらついている状況。山の方に行くと雪が積もっている状況になっているので、家を失ってしまった人については、仮設でもいいので、きちんと住めるという場所、寝られる場所の確保が最優先だと思います。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
コメントを書く