中南米にも気球現れ中国“認める” 米軍撃墜の残骸からわかることは?(2023年2月6日)

中南米にも気球現れ中国“認める” 米軍撃墜の残骸からわかることは?(2023年2月6日)

中南米にも気球現れ中国“認める” 米軍撃墜の残骸からわかることは?(2023年2月6日)

 アメリカが“スパイ気球”だとして撃墜した中国の気球です。破片が落下した海域で海軍が部品の回収を進めるなか、同じような物体がコロンビアなど南米各地で相次いで目撃されました。

 アメリカ・サウスカロライナ州ノースマートルビーチ。小舟の上に白いものが見えます。CNNによりますと、白いものが気球の残骸と思われるというのです。そして、埠頭には迷彩服を着た人たちが…。撮影した地元住民によりますと、近くに海軍のトラックが停まっていたと言います。

 4日、アメリカ本土上空を横断した中国の気球をアメリカ軍が大西洋上空で撃墜。気球と搭載された機器の回収作業を進めているといいます。

 そんななか、事態は意外な展開を見せます。4日、南米のコロンビア空軍が撃墜された中国の気球と似た物体を領空内で発見したと発表したのです。

 コロンビア空軍:「コロンビア北部の領空内17キロメートルほど上空で、3日朝に気球のような物体を確認し、防衛システムで監視していた」

 気球のようなものは平均時速46キロメートルほどで移動し、コロンビアの領空から離れたため、国の安全保障を脅かすものではないと判断したということです。

 そして、実は2日には中米コスタリカで、3日にはベネズエラでも気球のようなものが相次いで目撃されていたというのです。同じ物体が北から南東方向へ移動した可能性があります。

 アメリカ国防総省は3日、「中国の2つ目の気球が中南米を飛行している」と発表していました。気球は「軍事拠点などの監視目的」で偵察用だとするアメリカ。現地メディアが気象条件などから分析したアメリカ上空の撃墜された気球のルートです。行く先々に軍事基地があります。これに対し、中国当局は「気象観測用の民間のものだ」と主張しています。

 中国外務省・謝鋒次官:「完全に不可抗力による事故。偶発的な事件であり事実ははっきりしており、歪曲(わいきょく)して恥をかかせようとしてはならない」

 ところが、この中国の主張を批判する台湾でも“謎の気球”が確認されていたというのです。台湾の中央気象局の局長がフェイスブックで写真付きで明かしました。

 台湾中央気象局・鄭明典局長:「気象局の同僚は2年前に撮影している。その前でも他の場所でも写真の記録がある」

 この写真の気球が中国のものかどうかは不明で、台湾当局も分析結果を公表していません。

 今回、アメリカ軍に撃ち落とされた気球は、その残骸の回収作業が進んでいます。専門家は、その残骸から多くの事が分かると指摘します。

 防衛省防衛研究所・高橋杉雄氏:「(残骸に)データが残っていれば、自分たちが何をとられていたのかが分かる。何をとられていたかが分かれば、中国側の意図が分かる」

 また、中国側のデータ回収については…。

 防衛省防衛研究所・高橋杉雄氏:「少なくとも現状では衛星通信のアンテナがあるようには見えないので、(データを)気球から人工衛星に飛ばしている訳では多分ない。データをためたうえで、例えば大西洋に出てから中国側の船がいて、そこに送信するか、船に向かって(気球の)高度を落として船で回収をする」

 専門家は、コロンビアなどで確認された気球も中国のものと考えられると指摘。そして、南米に現れたに現れた理由は2つ考えられると話します。

 防衛省防衛研究所・高橋杉雄氏:「(気球は)偏西風に乗ってアメリカ本土に行くわけですから、アメリカ本土に向かって飛ばそうとしたけど、完全にはぐれてしまったというのが一つの可能性。もう一つは、ベネズエラは反米的な政策を取っているので、データや装置の回収をベネズエラと協力して、ベネズエラでやろうとしていた可能性も排除はできないと思う」

 中国外務省は会見で、南米コロンビアなどで確認された気球についても中国のものだと認めました。ただし、民間の気象観測用気球が誤って侵入したとしています。 (C) CABLE NEWS NETWORK 2023
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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