「一晩でなくなる」江戸前を食い尽くす“クロダイ”節分の恵方巻きの海苔に“危機”(2023年2月3日)

「一晩でなくなる」江戸前を食い尽くす“クロダイ”節分の恵方巻きの海苔に“危機”(2023年2月3日)

「一晩でなくなる」江戸前を食い尽くす“クロダイ”節分の恵方巻きの海苔に“危機”(2023年2月3日)

3日は節分。いまやすっかり各地に定着した恵方巻きですが、今年は、各具材の値上がりが顕著に出ています。

帝国データバンクによりますと、たまごは飼料価格の高騰や鳥インフルエンザの影響で約35%の値上がり。海苔も4%上昇するなど、恵方巻きの平均価格は160円程高くなっています。

千葉県にある店では販売価格を据え置いていますが、心配なのは、生産量が減っている海苔の値上がりです。寿司みなつき・鈴木正人店長:「私自身は、木更津の海苔が、一番美味しいと思います。香りがすごくいいのと、歯切れがいいので、口に残らない」

この店がこだわるのは“江戸城の前”、つまり、東京湾で生産された“江戸前海苔”。その歴史は古く、200年以上も昔、江戸時代まで遡ります。千葉県にも広まり、1940年には、東京都を抜き、全国生産額で1位となりました。

生産はいまが最盛期ですが、問題が起きていました。

千葉県富津市の沖合では、海苔を収穫する前に“防御用ネット”を外す作業を行います。クロダイが食べてしまうといいます。
海苔漁師・平野太士さん「(Q.ネットがないと結構、食べられる)一晩で、海苔がなくなっちゃいます」

防御ネットを設置しても、その被害をゼロにすることはできないそうです。クロダイの食害は、6~7年前から始まったといいます。そうした影響もあり、千葉県の海苔の生産量は、10年前に比べ、3分の1ほどに落ち込みました。
海苔漁師・三辻正幸さん:「通常、この時期だと、大体1日に2万~3万枚生産するんですけど、11月20日~1月10日の50日間で、2万枚しか生産できません」

県の水産総合研究センターでは、クロダイに発信機を取り付けるなど行動パターンを分析。1995年には、富津市の南の沖合までだった生息範囲は、年々、北上を続け、今や東京湾の大部分に及んでいます。
千葉県水産総合研究センター・石井光廣主幹:「秋から冬の東京湾の水温が、徐々に上昇してきて、低水温が苦手なクロダイが、東京湾に冬もいられるようになったのが大きい。40年前と比べると、10月以降、2~3度くらい上昇している。このまま水温が上がれば、食害の影響が大きくなる」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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