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【解説】12都府県でスギ雄花「10年間で最大」 花粉症対策は“症状出る前”今が大事
2月に入り、花粉症の人にはつらいシーズンがやってきます。しかも、今年は“ここ10年で最大レベル”で、飛散量も「極めて多くなる」見込みということです。
●来週にも大量飛散
●花粉から逃れる旅?
●「今」始めたい対策
以上のポイントを中心に詳しく解説します。
■花粉予測2023 12の都府県で「雄花の量」が“過去10年間で最大”
2023年シーズンのスギ花粉の予測が出そろっています。
環境省は、今年春の飛散量が関東・北陸・近畿・中国地方で「極めて多くなる」見込みだとしています。東京や石川、兵庫、広島など12の都府県で花粉を生み出す「スギの雄花の量」が「過去10年間で最大」になっていることによります。
東京都では、今年のスギやヒノキの花粉の飛散量が例年の2.3倍程度と予想されていて、都の担当者は「飛散量が多いと、今まで症状がなかった人も発症する可能性がある。早め早めの対策をしてほしい」と呼びかけています。
では、いつごろから飛び始めるのでしょうか。
日本気象協会によると、今年のスギ花粉の飛散開始は、九州から東北まで「例年並み」と予想されています。この「飛散開始」とは、「1平方センチメートルあたり1個以上の花粉を、2日連続して観測」することを指します。
全国で一番早いのは福岡で、8日の予想です。東京は11日ということで、あと1週間ほどで飛び始めるという見込みです。そのほかの地方でも今月の中旬や下旬に飛び始め、おおむね3月中旬から下旬まではピークが続く予想となっています。
【スギ花粉の飛散開始予想 日本気象協会 1月19日発表 名古屋:2月28日、仙台:2月24日、松本:3月1日、東京:2月11日、秋田:3月7日、新潟:2月28日、金沢:2月22日、大阪:2月22日、広島:2月16日、福岡:2月8日、高松:2月14日】
■「避粉地」に滞在する手も おすすめの場所は?
「避暑地」ならぬ「避粉地」という言葉があります。日本には元からスギ花粉が少ない地方というのがあり、北海道や九州南部、沖縄は花粉がほとんど・もしくは全く飛ばない地域です。
例えば、北海道釧路市は「花粉0の快適空間」というのをうたっていて、市のホームページでも「スギやヒノキが自生していません。(毎年春先)花粉症で悩む人にはオアシスかもしれません」と滞在をおすすめしています。
もう1つ紹介したい「避粉地」は、長崎の「的山大島(あづちおおしま)」です。的山大島では、これまで20回以上にわたって「スギ花粉 避粉地体験ツアー」が行われました。的山大島は、本土と比較してスギの木が極端に少ないことと、離島のため、花粉の飛散率が極端に低いことが確認されているそうです。
新型コロナウイルス感染拡大前に行われたツアーでは、フェリーに乗船するまではマスクをつけていた参加者も、島に上陸後は「ノーマスク」になったということです。「マスクをつけるのを忘れていた」「心身ともにリフレッシュして、症状もすっかり改善された」という声が聞かれたそうです。
■対策は「症状が出る前」が重要 腸内環境を整えるのも…
とはいえ、リモートワークが不可能な人など、長期間、「避粉地」に滞在するのは困難という人が多いのではないでしょうか。そういう人たちにまさに今、このタイミングで知っておいてほしいことがあります。
それが、花粉症の「初期予防治療」です。
花粉症のつらい症状を抑えるために治療薬を飲んでいる人も多いと思います。西馬込あくつ耳鼻咽喉科の阿久津征利院長は、ぜひシーズン前の「症状が出る前に対策を始めてほしい」と呼びかけています。
具体的な時期としては、花粉の飛散が始まる約1週間前から薬を飲み始めるのが、おすすめだといいます。つまり、東京に住んでいる人は、飛散が始まる前の今週末や来週の頭ごろから飲み始めるのが、一番良さそうです。
例えば、火事は燃え広がってからだと消火しにくいのと同じように、花粉症によるアレルギー症状も、症状がひどくなってからだとアレルギー反応がおさまりづらいそうです。そのため、症状が出る前の「初期予防」が効果的です。
特に症状が重い人には、薬を注射する方法もあります。今はいい薬がたくさん出ているので、医師や薬剤師と相談して自分に合ったモノを選んでほしいということです。
阿久津院長によると、ほかにも今からできる対策が3つあります。
●腸内環境を整える
腸が荒れると、アレルギー反応が強く出やすいそうです。「食物繊維」「乳酸菌」「質のいい油」などをとることで、おなかの環境を整えるだけでも、だいぶ違うといいます。
●十分な睡眠
飛散ピークになると、鼻づまりで夜なかなか眠れないという人も多くなると思います。今のうちにしっかりと睡眠をとっておくのも重要です。
●日光浴でビタミンD生成
ビタミンDには炎症を抑える機能があるといい、日光を浴びることにより体内で生成されます。ただ、飛散が始まるとあまり外に出なくなり、欠乏しがちになるということです。その場合、サプリなどで補ってあげるのも良いかもしれません。
◇
「花粉の少ない場所に滞在する」「薬を早めに飲む」「体調を整える」と今からできる対策を紹介しましたが、かかりつけの医者などと相談しつつ、つらいシーズンをできるだけ軽く乗り切ってもらえればと思います。
(2023年2月1日放送「news every.」より)
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