日本から盗まれた仏像めぐる裁判 韓国の所有権認めた一審判決取り消し 住職「窃盗事件がどうして10年も」|TBS NEWS DIG
2012年に長崎県対馬市の寺から盗まれ、韓国に持ち込まれた仏像をめぐる裁判の判決です。韓国の裁判所は二審で、一審の判決を取り消し、仏像の所有権は日本の寺にあると判断しました。
記者
「韓国の寺の仏像の所有権は認められませんでした」
韓国で行われているこの裁判は、11年前に長崎県対馬市の観音寺から盗まれた県の有形文化財「観世音菩薩坐像」をめぐって、韓国の浮石寺が「中世に日本の海賊=倭寇が強奪したものだ」として、本来の所有権を主張し、争っているものです。
仏像は裁判が終わるまで韓国政府が保管しますが、一審の大田地裁は「正常ではない過程を経て日本に渡った」として、浮石寺の所有権を認め、韓国政府に仏像の引き渡しを命令。
しかし、二審の大田高裁はきょうの判決で、一審の判決を取り消し、所有権は日本の観音寺にあると判断しました。
原告側の僧侶
「勇気ある大韓民国の判事がいたらどうだっただろうかという残念な気持ちを持っている」
韓国の浮石寺側は上告する方針です。
一方、窃盗被害にあった対馬市の観音寺の当時の住職は、判決内容を歓迎したうえで、改めて仏像の早期返還を求めました。
観音寺 田中節孝前住職
「ありがたいということです。願っていた通りになって、それを韓国の司法が認めてくれた。単純な窃盗事件が(返還に)どうして10年もかかるのか。そうなった以上、一刻も速やかに観音寺に返却願いたい」
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