ウクライナ侵攻で…“手足を失う人”増加 義足“最短1日”を可能に 日本人の思い(2023年1月30日)

ウクライナ侵攻で…“手足を失う人”増加 義足“最短1日”を可能に 日本人の思い(2023年1月30日)

ウクライナ侵攻で…“手足を失う人”増加 義足“最短1日”を可能に 日本人の思い(2023年1月30日)

 ロシアによるウクライナ侵攻で攻撃に巻き込まれ、手足を失った人が増えている。そうした人たちへ、義足を最短1日で作ることを可能にする日本人の活動に密着した。

■「一度に5人の手足切断手術」義肢の生産追い付かず

 ロイター通信などによると、ウクライナ軍の報道官は先月25日、国営テレビで東部ドネツク州ソレダルから撤退したことを明らかにした。

 その理由については、「軍人の命を守るため」と説明している。

 ウクライナ、ロシア両国とも、明確な数字を出してはいないが、それぞれ10万人の兵士が死傷しているという。

 一方、ロシアによるウクライナ侵攻の前線では深刻な問題も…。

 軍医:「重傷者が多い日は、一度に4~5人の手足切断の手術をする時もある」

 ウクライナでは、手足の切断を余儀なくされた人が数千人に上るとされ、義肢の生産が追い付いていないという。

■“最短1日”“低価格”で義足の製造可能に

 そんななか、ウクライナで義足を必要とする人たちを救おうと動き出した日本人がいる。

 インスタリムCEO・徳島泰さん(44):「これで人生終わってしまったと思った人たちの、心を取り戻すというのをやりたいなっていうのが、一番僕が思っているところで」

 徳島さんは、最先端の技術でウクライナの負傷者に希望を与えようとしている。

 世界中どこにいても、最短1日で義足が作れる技術。一体、どのようにウクライナの人たちを救おうとしているのか?

 徳島さん:「私たちが開発したアプリケーションを用いて、スマートフォンのカメラを使って、切断された方の足を3Dスキャニングしていくという内容」

 患者の足の形を360度撮影し、そのデータを送りさえすれば、瞬時に義足を設計。「3Dプリンター」に入力すると、患者の足に合った義足が最短1日で製造可能になるという。

 そして材料を、独自に開発した安くて強いプラスチックを使用することで、通常40万円かかるところ、その10分の1の4万円という低価格で提供することを可能にした。

 徳島さん:「ここで何とか、僕たちの事業を通じて、ウクライナの人たちに貢献できることはないかなというのは前から考えていて」

■「なるべく早く1つでも多く届けてあげたい」

 そんな徳島さんは今月、ウクライナでの義足の製造状況を確認するためリビウに向かった。

 徳島さん:「義足の遠隔製造という技術が、活躍する余地があるのではないかと思っていて」

 実はこの「遠隔製造」という技術は、2019年から始めたフィリピンでの活動の中から誕生したものだ。

 コロナ禍によって、ロックダウンで日本への帰国を余儀なくされた時、フィリピンにいるスタッフが患者の自宅を訪ね、足の形をスキャンしてデータを送信。日本で「3Dプリンター」を使って義足を製作して送る、新たな仕組みを作ったのだ。

 今回、ウクライナ・リビウの義足製作所を訪れた徳島さんは、3カ月前に前線で足を失った元兵士に話を聞けたという。

 徳島さん:「自分は兵士として訓練されてきて、心を決めて祖国のために頑張ってくる。諦めはついていると。一方で、志願兵も前線に配備されていて、18歳、19歳の人たちは、そこまで自分のように気持ちが固まっているわけではなくて。実際に足をなくしてしまったら、こんなはずじゃなかったという絶望にのまれてしまう人たちもたくさんいて。本当に義足というのはなければ、気持ちも立て直せないようなものなんだって。なんとか義足をなるべく早く、1つでも多く届けてあげたいなと思った」

■“現地で製造”検討「最初の1歩を踏み出してほしい」

 ウクライナで義足の支援の活動を行っている徳島さんだが、早速動き出すそうだ。

 徳島さんは、早ければ来月にも簡易的な3Dプリンターを持って再びウクライナ入りして、実際に足を失った現地の人たちの義足を試作する予定だという。

 夏ごろには、足をスキャンするスマホアプリの試験運用も開始したいと話している。

 そしてもう一つ、義足を少しでも早く届けるために、現地で製造工場を作ることを考えているという。

 日本で義足を製造した場合、隣国ポーランドなどを経由してウクライナへ運ぶことになり、通関などに時間がかかるため1カ月近くかかってしまうそうだ。

 そこで、徳島さんは、年内にも現地のNGOと協力して、ウクライナや隣国ポーランドに製造拠点をつくり、供給することを検討中だということだ。

 こうした活動には、徳島さんがロシアによる侵攻で負傷した方への思いもあった。

 「スマホさえあれば、戦闘の激しい東部で足を必要としている人でも、自分で足をスキャンすることができ、工場で作った義足を届けることもできる。足を失った人が元の生活を取り戻すための“最初の1歩”をこの義足で踏み出し、頑張ってもらう気持ちになってもらいたい」と話した。

(「大下容子ワイド!スクランブル」2023年1月27日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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