指示役「ルフィ」 フィリピン収容所で“強盗指示”か…実行役おびえ「粛清される」【羽鳥慎一 モーニングショー】(2023年1月30日)
関東中心で起きている連続強盗事件です。フィリピンで収容され逮捕状が出ている日本人の男4人の中に、指示役のルフィと名乗る人物はいるのでしょうか。一連の強盗・窃盗事件に関与した可能性がある渡邊優樹容疑者(38)を知る人物に話を聞きました。
■フィリピンで収容中の2人 関与の可能性
全国で続発する強盗事件。“闇バイト”で雇われたとみられるメンバーが全国の店舗や民家を襲い、現金や貴金属などを強奪。警察は、これまでに30人以上の実行犯を逮捕しました。
警察当局は、「ルフィ」を名乗る人物が複数の事件で実行犯に指示を出していた疑いがあるとみています。
さらに「ルフィ」はフィリピンの収容所に拘束されている人物の可能性があるといいます。
フィリピンにあるビクタン収容所には、不法滞在者や母国への送還を待つ外国人が入っています。この中にいる、渡邉容疑者、今村磨人容疑者(38)ら4人に逮捕状が出ていることが新たに明らかになりました。
警視庁は特殊詐欺事件で逮捕状を出した4人のうち、少なくとも渡邉容疑者と今村容疑者が連続強盗事件に関与している可能性があるとみています。
■札幌・すすきので…“闇の社会”とつながる
渡邉容疑者とはどんな人物なのでしょうか。親族が取材に応じました。
渡邉容疑者の親族:「皆様に申し訳ない気持ちです。亡くなられた方とか、お金を老後のお金だったり取られてしまって、本人だけのうのうと生きている。何て言ったらいいんですかね。つらいですね」
事件のニュースを聞き驚いたという親族。最近は全く接点がなかったといいます。
親族:「(Q.最後に会ったのは?)もう何年も前です」「(Q.10年?)10年かな」「(Q.連絡は普段?)そうですね。取ってないですね」
渡邉容疑者は高校卒業後に実家を離れ札幌で生活。そのころから連絡も取らなくなり、帰省することもほとんどなかったといいます。
親族:「(Q.家族で優樹さんについて話されることは?)ないですね。話にも出さないというか…」
渡邉容疑者を知る人は、「学生時代は成績優秀、スポーツ万能で“優等生”で面倒見もよかった。渡邉容疑者の実家が酪農をしていて、札幌の卸し先の新規開拓のため札幌に出てきたが、そこで人が変わってしまった」と話します。
渡邉容疑者は高校卒業後、札幌の繁華街・すすきので知人と飲食店の営業を始めたといいます。容疑者を知る人によりますと、そのころから夜の街に染まり印象が変わっていったといいます。
渡邉容疑者を知る人:「“自分の店で働かないか”と地元の友人を誘っていた。本人は派手な生活はしていなかったが、すすきので“闇の社会”の人たちとつながっていってしまった」
■渡邉容疑者経営店の元従業員「野心あった」
北海道・最大の歓楽街、すすきの。この一角に渡邉容疑者が経営していた飲食店が入っていたというビルがあります。
渡邉容疑者を知る 飲食店店長:「(Q.この男なんですけど?)一番右奥のほうにあった店かなと思うんですけど」「(Q.いつくらい?)10年くらい経っているんでしょうね。ただ、いつ開いてるかは分からない。たまに人が出入りしてるなくらいで。噂だと“ぼったくり”みたいな」
渡邉容疑者の印象については、こう話しました。
飲食店店長:「風貌的にはおっかなそうな人ですよね。高そうな装飾品を付けていたりしてたから、それは覚えてたなって。やんちゃそうな人が付けてそうな、ごつい腕時計みたいな」
渡邉容疑者が経営する店で従業員として働いていたという人物にも話を聞くことができました。
渡邉容疑者が経営していた店の元従業員:「渡邉優樹容疑者が経営していた店ですね。女の子の店やってまして。そこに自分が黒服として入ってました」「(Q.渡邉容疑者は当時どういう人?)当時は普通に皆にも優しくて、渡邉容疑者の家で鍋したりとか。夜な夜な結構盛り上がりましたね。結構、皆の面倒見がいいというか。ニュースとか見て、とてもじゃないけど考えられない。自分らに知らない面もあったかもしれないですね、もしかしたら」「(Q.お金に対してはどうだった?)多少細かいのもあったと思いますよ。八百屋を始めてみたりとか。色々事業に手を出していますよ、不動産とか。自分で色んな事業を拡大しようって野心があった」
■マニラの日本人街に…「お金持ちだった」
札幌で“闇の社会”とのつながりを持つようになっていったという渡邉容疑者。4年前に摘発された特殊詐欺事件の“主犯格”であることも新たに分かりました。
フィリピンを拠点に日本の高齢者を狙って特殊詐欺をしていた日本人36人が拘束された事件です。
ビルの一室に並んだ机には何台ものスマートフォン。ホワイトボードには都道府県名や数字がびっしりと書き込まれています。
この事件の捜査段階で渡邉容疑者の存在は浮上していましたが、当時フィリピンへの情報提供などが遅れたため拘束されませんでした。
3年前にはマニラにある日本人街に顔を出していたといいます。
渡邉容疑者を知る 店舗関係者:「(Q.この人は知っていますか?)ワタナベ、ワタナベさん」
従業員も強く印象に残っているといいます。
渡邉容疑者を知る 店舗従業員:「(Q.なぜ3年前のことを覚えているんですか?)いいお客さんだから。指名している娘にたくさん飲み物くれてた、いっぱいいっぱい。だから今まで覚えてるの。彼の指名している娘にはお金あげてる。お金持ちだった、もうかっているから」
そして、おととし5月、フィリピンで不法入国の疑いで逮捕され、マニラ郊外にあるビクタン収容所に収容されたのです。
■「お金払えば何でも…」収容所内で特殊詐欺も
果たして、渡邉容疑者はルフィを名乗る指示役なのでしょうか。ビクタン収容所に向かいました。
マニラ中心部から少し離れた場所に、渡邊容疑者らが収容されているということで、これから面会に向かいたいと思います。
通常は固く閉じられた扉ですが、少しだけ開いて、中の様子が少しですがうかがうことができます。何かフェンスのようなものがあります。渡邉容疑者との面会を試みますが…。
収容所の入り口には時折面会をする人が出入りしますが、私が実際に面会をしようと掛け合ったところ、メディアということが分かると門前払いされました。かなりメディアに対して敏感になっているようです。
ビクタン収容所に収容されているのは、不法滞在者や母国への送還を待つ外国人です。
持ち込まれるものは、かなり厳しくチェックしています。何か差し入れでしょうか、日本語の文字が見えます。サツマイモと書いてあります。
自身も収容所に入っていたルポライターによると、収容所の中では職員への賄賂が横行していて、金さえ払えば自由な暮らしが手に入るといいます。
ルポライター 金潤永(キム・ユニョン)さん:「お金を払えば何でもできます。ノートパソコンも携帯も看守に金を渡せば買ってきてくれるし、ネット環境もお金を払えば解決できます。月一回くらい検察などから調べが入り、すべて奪われるが、お金を渡せばまた戻してもらえます。日本人はあの中でも悠々と携帯を所持していましたよ」
収容者たちが携帯電話で特殊詐欺を働く様子を目撃していました。
金潤永さん:「中から写真も映像も送れるし、誰かに指示することもできます。通信が自由なので、どんな犯罪だって成立します」
フィリピン当局は職員が収容中の日本人の犯罪行為に加担していた可能性があるとして調査を始めたといいます。
■実行役おびえ…「粛清されるかもしれない」
一連の事件でルフィの関与が疑われるのは5件。その内の一つで逮捕され、公判中の被告は…。
渡邉翼被告:「全員その日初めて会った人たちだった。名前も分からなかったので、お互いのことを『あなたは…』などと呼び合っていた」
去年11月7日午前2時ごろ、山口県にある会社役員の自宅に5人組の男が侵入し、住民の手首を結束バンドで縛るなどして襲う事件が発生しました。
渡邉被告:「『個人個人で家の中に入ってやれることをやって』『金庫を持ってこい』と指示を受けた」
メンバーの1人はずっと指示役ルフィとメッセージのやり取りをしていたといいます。
渡邉被告:「もう1台(の車)に乗っていたメンバーの1人が、ずっとルフィと連絡を取っていた」
さらに、別の事件で逮捕された容疑者は…。
逮捕された容疑者:「ルフィの使いとみられる人物が訪ねてきたことがあり、『警察に捕まったら黙秘する』との契約だったので、こんな話をしたら粛清されるかもしれない」
ルフィに怯える一方で、ルフィの詳しい情報は出ていません。果たしてルフィとは一体、何者なのでしょうか。
(「羽鳥慎一 モーニングショー」2023年1月30日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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