すでに粗悪品が市場に流通か 「見抜けない」正常に作動しない偽エアバッグを避けるためには｜TBS NEWS DIG
大手自動車メーカーの偽のエンブレムを付けたエアバッグを販売したとして中古車販売店の男らが逮捕された事件。粗悪な偽のエアバッグが市場に流通している可能性もあります。
きのう、警視庁に逮捕された中古車販売店の従業員でパキスタン国籍のイスラール・ミアン・アリ容疑者（36）ら男4人。
去年、「トヨタ」や「日産」などの偽物のエンブレムがつけられたエアバッグ5個をネットオークションでおよそ11万円で販売したなどの疑いがもたれています。偽エアバッグの摘発は全国初です。
これは正規のエアバッグと偽のエアバッグの性能を比較した実験映像です。正規のものは衝撃を感知して膨らみますが、偽のエアバッグは正常に作動せず、人形がハンドルに頭を打ちつけてしまっています。
警視庁はイスラール容疑者らの関係先からエアバッグや部品など3千点以上を押収。これらのエアバッグは事故の際に適切に作動しなかったり、部品が飛び出たりする恐れのあるものだったといいます。
専門家はこうした偽物は「命の危険を招く」おそれがあると指摘します。
エアバッグ製造会社オートリブ 齊藤公史さん
「もし事故に遭われたときに狙いの性能が出てないので、助かる命が助からなかったり、怪我をしなくてもいいはずだったのに怪我をしてしまったり、本当に人の命なり健康に直結する」
一方で、偽物かどうかを見抜くのは難しいといいます。
エアバッグ製造会社オートリブ 齊藤公史さん
「作動する時間のコントロールを1000分の1秒単位で設計しているので、人の目では作動した、しないしかわからない。それも作動後にしか、その結果がわからないので。そういう意味では非常に怖い」
偽のエアバッグは、正規の値段の半額ほどで販売されていました。意図せずに偽のエアバッグを使用しないためには正規のディーラーで作業を依頼したのかを確認するのが確実だといいます。
日本自動車ジャーナリスト協会 菰田潔 会長
「カーディーラーの中のサービス工場でやれば、一番安心なのでそれをおすすめします。『安いよ、じゃやっとくよ』って言ったところは危ないと思った方がいいですね」
警視庁はイスラール容疑者らがおととし4月ごろから1年半の間に偽のエアバッグをおよそ1000個販売し、1700万円ほどの売り上げを得ていたとみて偽のエアバッグの流通先を調べています。
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