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“移住&兼業”現役CAの奮闘 「製茶店」「銀行員」に…地方では“別の顔”【Jの追跡】(2023年1月21日)
おととしから始まった、全日空の「客室乗務員の兼業制度」。新型コロナによる減便が続き、客室乗務員の雇用を守るために、地方への移住、兼業を認める仕組みを導入しています。
そこで、鹿児島の「製茶店」と秋田の「銀行」で兼業する2人のCAに密着。お茶の味の“違い”が分からず戸惑ったり、銀行員なのになぜかインタビュー?慣れない仕事内容や地方での暮らしなど、奮闘する様子を追跡します。
■“新商品”お茶を試飲も 味の違いは…
全日空の客室乗務員・井上莉緒さん(25)。去年10月から鹿児島に移住し、地元製茶会社で兼業をしています。
井上さん:「(コロナ禍で)不安な気持ちはありました。色々な所に出向したり、違う仕事をする同期がたくさんいたので…」
おととしから始まった、全日空の「客室乗務員の兼業制度」。新型コロナによる減便が続き、フライトの減った客室乗務員の雇用を守るために、地方への移住、兼業を認める仕組みを導入しました。
客室乗務員歴4年の井上さんは、鹿児島での兼業に応募。縁もゆかりもない場所ですが…。
井上さん:「お茶も好きだったので、お茶を通じて地域貢献しているヘンタ製茶で、自分も働きたいなと思って」
井上さんのスケジュールは、フライト業務の合間を縫って、月8日間ほど製茶会社で仕事をしています。主にPR活動や来客時の対応などを任されていますが、時にはこんな仕事もあります。
井上さん:「新しい新商品の開発のための試飲を10時からするので。桜島大根という鹿児島の有名な大根がある。その大根のパウダーとお茶を混ぜたお茶を開発途中です」
新商品として発売予定のお茶。社長も参加する重要な最終段階の試飲です。
ヘンタ製茶・邉田孝一社長:「うちの会社に来てまだ2カ月という、お茶のことを知らないから、逆にいいんですよね」
井上さん:「(Q.味の違いは結構分かる?)味の違いが結構(分かるように)変わってきていて」
消費者目線として重要な役割。味の違いに自信があるようですが…。
井上さん:「全然、大根の味しない…」
邉田社長:「いや…するよ…する。これで味しないっていうのは、ちょっと…」
井上さん:「舌が…勉強します」
まだまだ味の違いは…社長の信頼を得るには勉強が必要なようです。
■CAならでは…“英語”でお茶の入れ方を指導
井上さんだからこそできる仕事もあります。
井上さん:「こんにちは、よろしくお願いします」
店に見学に来たのは、2人のアメリカ人。次は「接客」の仕事です。最大限、お茶を楽しんでもらえるよう、茶畑が一望できるティーテラスへ案内します。得意の英語でお茶の入れ方を指導します。
井上さん:「まず、ティーカップにお湯を注ぎます。100℃近い熱湯なので」
アメリカ人見学客:「おいしい」
井上さん:「今まで、ここまで英語で詳しくお茶の飲み方を説明するということはなかったので。CAとしての力が少し生かせてるのかなって思います」
■コロナ流行で相次ぐ減便…思い切り“兼業”
東京と鹿児島を行き来し、しっかり客室乗務員としての業務にも汗を流しています。この日は3日ぶりのフライトです。ところが、想定外の事態になりました。
機長:「天気ですけど、冬型ですね。日本海側に雪雲が出ている状態です」
大雪の影響で、(石川の)「小松空港」行きが欠航となり、「宮崎」行きの担当になりました。
井上さん:「行き先が変わると、フライトの時間だったり、お客様も変わるので、少し緊張はします。準備はバタバタですけど、頑張りたいと思います」
新型コロナの流行による相次ぐ減便は、フライト経験の少なさにまだ多くの不安を抱えていた井上さんをより一層、悩ませました。
焦る日々のなか、兼業できる制度を知り、思い切って手を挙げました。慣れない環境で、初めての作業。戸惑いながらも一歩一歩、真摯に取り組んできました。
井上さん:「お茶を通じて、お客様が幸せになっているところに(製茶会社での)やりがいを感じて、そういうところはCAと似ている。(鹿児島県で)学んだ力を生かしていきたいなと思ってます」
■「企業の取材がメイン」慣れない作業に苦戦
現在、全国各地に移住し、兼業生活を送っている全日空の客室乗務員はおよそ40人います。
しんしんと雪が降りつもる、秋田県。ここにも、もう一つの顔を持つ客室乗務員がいました。
客室乗務員歴10年の高橋希久美さん(34)。兼業先は「秋田銀行」です。任されたのは、少し変わった業務内容でした。
高橋さん:「今やっている内容としては、企業の取材がメイン」
秋田銀行では、地域に密着した就活サイトを運営。高橋さんは、掲載する企業の取材から、編集、SNSへの投稿までを担当しているのです。
この日の作業は、インスタグラムの更新。自身で取材した企業の記事を投稿します。
高橋さん:「これだめだ。写真…投稿したんですけど、全部動画になっちゃってて」
慣れない作業に苦戦することも、しばしば…。まだまだ、周りのサポートが必要です。
■CAで培った“接客スキル” スムーズに進行
午後は、取材先へと向かいます。移動中、ある不安を口にしました。
高橋さん:「いざ兼業するってなった時に、自分に何ができるんだろうって、すごく不安になって。パソコンも皆さんが毎日してるレベルでできない。もっと上の(レベル)ことを求められているけど、企画書も書いたことがない。本当に大丈夫かなって思いがあって…」
新たな世界に飛び込んだのは、去年4月。周囲からの期待を感じる一方で、いまだ戦力になれていないもどかしさを感じていました。
取材の相手は、薬局を運営する会社の社長。地元製薬会社の社長。高橋さんも、やや緊張気味な面持ちです。
しかし、取材が始まると、客室乗務員で培った接客スキルでスムーズに進行。およそ30分間の取材は無事終了しました。
高橋さん:「(Q.手応えは?)緊張しました。うまく(会話の)キャッチボールができなかったりということも多々あるので」
秋田銀行にとっても、高橋さんは大きな存在です。
秋田銀行 地域価値共創部・本間光昭上席副長:「全然違う風が吹く。我々、銀行員とは全く違う視点を持って、仕事に取り組んでくれていますし。高橋さん自身も、秋田のためにやりがいを感じてくれていることは、一緒に仕事をしていて分かる」
■CA・銀行「捉われず挑戦・可能性広げたい」
高橋さんは2児の母。夫を東京に残し、3人で移住してきました。
高橋さん:「育児休暇から会社に戻った時に、もうすでにコロナ禍だったので。そのなかで、『私はどういうキャリアを積んでいくか』が、ちょっと分からなくなってしまって」
10年のキャリアを持つ高橋さんは、客室の責任者も務めるほどの立場です。それでも自らの将来へ不安を感じ、他業種も経験してみたいと、兼業を決意しました。
高橋さん:「子どもに関しては、私も正直すごく悩みました。親の勝手で連れてきていいのかなというのは正直あって…。ただ、最後の決め手になったのが、主人の一言で。『ママがやりたいことだったら、きっと子どもも分かってくれる』」
秋田銀行との兼業契約は来月まで。高橋さんはすでに、その先の自分を思い描いています。
高橋さん:「CAだったりとか、銀行の仕事だったりとか、そういうことに捉われずに、色んなことに挑戦して、可能性をこれからどんどん広げていきたい」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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