抗原検査キット “優先順位”供給で企業対応に

抗原検査キット “優先順位”供給で企業対応に

抗原検査キット “優先順位”供給で企業対応に

新型コロナの急拡大にともない不足が懸念されている「抗原検査キット」。きのう、厚生労働省が優先度合いに応じて供給すると決めたことを受けて、各企業が対応に追われています。

ソフトバンクグループが運営するPCR検査センター。企業や自治体から定期検査などの依頼を受け、1年半でおよそ340万件の検査を行いました。

記者
「こちらでは毎日、1万5000件程度のPCR検査が行われています」

今年に入り検査の依頼数が急増。陽性率も去年の年末と比べて10倍以上に増えているといいます。

SB新型コロナウイルス検査センター 和山行正センター長
「一般に生活してて何でもない人たちの中に、これだけの数の陽性疑いの方がいることが問題」

一方、厚生労働省はきのう、「抗原検査キット」が一部で不足していることから、必要性が高い業種などへ優先的に供給する方針を明らかに。症状がある人を診察する「医療機関」や「自治体」などが優先で、優先順位に応じて供給されます。

この薬局では、東京都の事業で、「陰性証明」を必要とする無症状の人に無料で抗原検査を行っています。しかし、問い合わせが増えている濃厚接触者は「対象外」です。

三共薬品 米澤一郎社長
「濃厚接触者の無症状の方たちの不安を取り除いてあげたいというのは、1番正直な思いです」

きょうは検査用のキット10個を入荷予定でしたが、きのうの「優先供給」の方針を受けて入荷が取りやめに。「無料検査事業」は優先度が低いためです。

一方、東京・新宿区にある訪問介護の事業所。1日60軒ほど訪問し、介護にあたっていますが抗原検査キットの不足が問題に。PCR検査キットは定期的にもらえていますが、その日に結果がわかる「抗原検査キット」がのぞましいといいます。

でぃぐにてぃ代表 吉田真一さん
「呼吸器がついている利用者のお宅にその日に行くので」

訪問介護事業者は、薬局などで売られている市販のものを購入するしかありません。

でぃぐにてぃ代表 吉田真一さん
「訪問を継続するために私たちが1回でもいけないと命にかかわる方がいる」

政府は1日80万回分まで増産するようメーカーに要請。抗原検査キットを扱う「マルコム」は、韓国にある製造元の会社に増産を依頼しました。検査キットの生産数が世界一で、月に1万個だったものを製造ラインを大幅に増やし、2000万個を生産・輸入ができるよう依頼しました。ただ現在、マルコムには在庫がなく、需要の拡大は想像以上だと話します。

マルコム海外営業2課 室井邦彦次長
「もっと早く(政府から)情報をいただければ、我々もっと早く対応できていたが、需要の逼迫に対して(私たちも)甘く見ていたなと非常に強く感じている」
(28日17:07)

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