アフガン自爆テロで新証言「米兵が市民を銃撃していた」米国防総省の報告書と食い違い続々と… 現地取材|TBS NEWS DIG

アフガン自爆テロで新証言「米兵が市民を銃撃していた」米国防総省の報告書と食い違い続々と… 現地取材|TBS NEWS DIG

アフガン自爆テロで新証言「米兵が市民を銃撃していた」米国防総省の報告書と食い違い続々と… 現地取材|TBS NEWS DIG

2021年8月にアフガニスタンで起こった「イスラム国」による自爆テロ。犠牲になった民間人は少なくとも170人。しかし、JNNの取材で直後に「アメリカ兵が市民に向けて銃撃していた」との証言が得られました。自爆テロの最中に何があったのか。アメリカ軍の報告書との食い違いに迫ります。

自爆テロではない?アメリカ軍による銃撃で死亡か

ドローンによって一瞬で破壊される建物。2021年8月、アメリカ軍によるアフガン戦争最後の攻撃を捉えた映像です。
2021年9月、アメリカ軍は民間人10人が死亡する誤爆だったと謝罪しました。この誤爆をめぐって2023年1月6日、ニューヨーク・タイムズが報じたのが…

ニューヨーク・タイムズ
「アメリカ軍の分析官は民間人が死亡した可能性を攻撃後の数分以内に報告していた」

アメリカ軍が民間人の被害を攻撃直後から把握していたというのです。そして、この空爆のきっかけとなった「イスラム国」の自爆テロについてもアメリカの報告書に疑念の目が向けられています。

2021年11月のアフガニスタンのカブール国際空港で、JNNが取材したのは「イスラム国」が自爆テロを行った現場です。

須賀川拓記者(2021年11月)
「当時、本当に多くのアフガニスタンの人々がこの空港に殺到しました。アビーゲートという空港に入る数少ない入口から、なんとかして入り、国外に脱出しようと人々が集まった、まさにその場所です」

2021年8月、標的となったこの場所には首都を制圧したタリバンから逃れようと数千人もの人たちが集まっていました。そして…

須賀川拓記者(2021年11月)
「自爆テロの現場なのですが、壁が黒く焼け焦げているのか、もしくは血液が黒くなってしまっているのか分かりませんが、明らかに色が周りと違います。そして布切れなどが飛び散って壁についているのが分かります。上にある有刺鉄線に引っかかっているのは、おそらく巻き込まれた人たちの服なのだと思いますが、黒くただれてしまっていますね」

犠牲になったのはアメリカ軍関係者13人とアフガニスタンの民間人、少なくとも170人です。

ただ、私たちが現場で取材を進めると、亡くなったアフガニスタン人の多くが自爆テロではなく、アメリカ軍による銃撃で死亡した可能性があることが分かってきたのです。アメリカ国防総省は2022年2月に報告書を発表。

アメリカ国防総省の会見
「銃撃によって誰かが死亡したという決定的な証拠は見つかっていない」

アメリカ国防総省の報告書
「爆発直後、アメリカ海兵隊は市民が殺到するのを防いでいたが、この時は発砲していない」

犠牲者は全員自爆テロによるものと断定しています。しかし、現場では…

雑貨店を営む男性
「爆発が起きたとき、アメリカ兵が人々に発砲し始めた。傷口はとても小さく銃で撃たれていた。私が人々を救急車に乗せたんです。(Q.アメリカ軍が?)はい、アメリカ軍に撃たれていました」

現場近くで雑貨店を営む男性は、自爆テロ直後に「アメリカ兵が市民に向けて銃撃していた」と証言しました。一方のアメリカ側は…

アメリカ国防総省ブリーフィング
「爆発後、アメリカ兵が他のアメリカ兵やアフガニスタン人を殺害したという証拠は見つかっていない。アフガニスタンの現状や米軍の撤退を踏まえると、アフガニスタン人に話を聞くのは難しかった」

アメリカは現場に居合わせたアフガニスタン人への聞き取りを行わないまま、結論を出していたのです。

さらに私たちは死者やけが人が運び込まれた病院の医師をつき止めました。安全上の懸念から、顔と実名を隠すことで取材に応じた医師は、明確に「銃撃による死者がいた」と証言しました。

搬送先の医師
「銃撃によって死亡した患者を受け入れました。誰による銃撃だったのか聞きまわったが、『これ以上調べるな』とたくさんの脅迫を受けたので断念した」

――爆弾の破片と銃撃による傷は見分けがつくのか

「もちろんです。とくに銃弾の傷は刺し傷のような小さな傷になります。私には(見分けるだけの)経験がある」

アメリカ国防総省はさらなる調査を否定。真相は闇に包まれたままです。

責任放棄…戦争が終わった今こそ捜査、賠償を

小川彩佳キャスター:
戦争が終わって時間は経ちましたが、残された傷の深さを改めておぼえます。取材をした須賀川記者の報告です。

須賀川拓記者:
戦争が終わって1年半近く経った今もこうした新たな情報が出てきているわけです。

一方で、アメリカ兵の立場に立てば、空港は当時、混乱の極みにあったわけです。現場にいた兵士たちも緊迫し、テロの脅威にさらされ、命がかかっていた。そう考えると、目の前で自爆テロがあれば誤射の可能性はあるわけです。ですから、そこをしっかりと認めた上で、アメリカとしてしっかりと捜査をし、必要ならば被害者の賠償をするべきなんです。ところがアメリカ軍は完全撤退し、責任を放棄するという形になってしまいました。20年という戦争でアメリカをはじめとした欧米諸国がアフガニスタンに残した傷はあまりにも深いものです。

そして、今も…(https://newsdig.tbs.co.jp/list/article?id=jnn-20230117-6062286)

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