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【アルツハイマー病新薬】国内で承認申請 “進行抑える”期待
製薬大手のエーザイは、アメリカの製薬会社と共同開発してきたアルツハイマー型認知症の新薬について、国内での製造販売の承認を申請しました。症状の進行を抑える効果が期待されていて、待つ人からは「わらにもすがる思い」との声が上がっています。
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アルツハイマー病の前段階の診断を受けている当事者の家族は「日本も1日でも早く承認されるべきだと思います。待ってます」と話していました。新薬には、当事者の家族からも、大きな期待が寄せられています。
日本の製薬大手エーザイは16日、アメリカの製薬会社バイオジェンと共同開発したアルツハイマー病の新薬「レカネマブ」の国内での製造販売について厚生労働省に承認申請しました。
アルツハイマー病は認知症の約7割をしめるとされています。長年、アルツハイマー病の治療にあたる医師は、根本的な治療ができることが、これまでの薬と違うと説明します。
アルツクリニック東京 新井平伊医師
「(レカネマブは)アミロイドβを増やさない。そうすると、その後の(症状の)変化が少なくなる。今までの薬とは全然違う」
アルツハイマー病の患者と健康な人の脳を比較した画像では、アミロイドβというタンパク質がたまった部分が、患者の脳は健康な人より多く目立ちます。アルツハイマー病は、このアミロイドβが脳内に徐々に蓄積し神経細胞が傷つけられ、脳が萎縮することが要因と考えられています。
レカネマブは、このアミロイドβを取り除き、症状の進行を抑える効果が期待されているのです。新井医師は、“早い段階でこの薬を使うことが重要”だと言います。
アルツハイマー病などの認知症は、症状によって軽度から重度に分類されます。さらにその前段階として、認知機能が低下しもの忘れを自覚するような状態は「MCI」と呼ばれ、認知症の“予備軍”とされます。
今回申請された「レカネマブ」は、この予備軍のMCIと、軽度のアルツハイマー病患者が対象で、症状の進行を平均で3年程度遅らせることが推定されているとしています。
去年、アルツハイマー病の前段階であるMCIと診断されたという66歳の男性は「非常に期待しています。いの一番で飲ませていただいても結構だと」と期待を寄せます。
男性は、3年前まで職場に普通に出勤していましたが、テレワーク中心の生活となり、その頃から物忘れや、道順が出てこないなどの症状が出始め、去年、検査でアミロイドβの蓄積が確認されたといいます。男性の妻も、薬によってアルツハイマー病の発症を少しでも遅らせたいと期待しています。
MCIと診断された男性の妻
「完治ではなく3年遅らせると。きっとこの3年が、すごく大事な3年なんです。3年、ぐっと落ちていくか、(症状が進行せず)まっすぐいけるか」
MCIと診断された男性(66)
「わらにもすがる思いではありますけど…」
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しかし、課題もあります。迅速承認されたアメリカでは、この薬の販売価格は1人あたり年間2万6500ドル、日本円で約350万円と高額です。
日本で承認され保険適用となった場合、患者の費用負担は抑えられますが、新井医師は、「その保険の対象範囲に発症前の“予備軍”のMCIが含まれるかが課題」だと指摘します。
エーザイは、年内の国内での承認を目指すということです。
(2023年1月16日放送「news every.」より)
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