コロナ死者急増 原因は…医師「合併症多い」 「全数把握」簡略化 “隠れ感染者”も?(2023年1月16日)

コロナ死者急増 原因は…医師「合併症多い」 「全数把握」簡略化 “隠れ感染者”も?(2023年1月16日)

コロナ死者急増 原因は…医師「合併症多い」 「全数把握」簡略化 “隠れ感染者”も?(2023年1月16日)

 新型コロナウイルスによる一日の死者が、500人を超えました。第7波ほどの感染者の数ではないにもかかわらず、亡くなる人が増えている理由として、“隠れ感染者”の存在を指摘する声が出ています。

■中国1カ月で「死者6万人」 火葬場は“フル稼働”

 1週間後に迫った中国の旧正月「春節」。故郷に帰る人で、駅は大混雑です。

 新型コロナの累計感染者数が、総人口の64%にあたる、およそ9億人に達したという推計も発表された中国。延べ21億人が移動するという春節を前に、中国政府は14日に突如、新型コロナ関連死者数を発表しました。

 これまで、連日1桁の死者しかいないとしていましたが…。

 中国政府:「全国の死者数は、去年12月8日から1月12日の間で5万9938人です」

 中国のSNSから:「見て下さい。ものすごくたくさんの人が待っています」

 上海の火葬場には、棺(ひつぎ)が列を成している様子が映っています。市内の火葬場だけでは対応が追い付かず、近くの島にある火葬場もフル稼働しているといいます。

 WHO(世界保健機関)は、中国が新型コロナによる死者数などを公表したことについて評価したものの、さらなる情報公開を求めました。

■国内初確認から3年…第8波の特徴“死者数増加” 

 一方、日本では、国内で初めての新型コロナの感染者が確認されてから、15日でちょうど3年。人々の意識にも変化が現れてきました。

 40代女性:「また気を付けないといけないと思っているんですけど、やっぱり緩んだ感じがとれなくて。あまり気にしてないです」

 親子:「普通に授業が対面になっているので、コロナ禍という意識は、薄れているかもしれない」

 しかし、感染状況はここにきて、高止まりが続いています。第8波の今、その特徴の一つが“死者数の増加”です。

 14日、過去最多となる503人を記録。新型コロナで亡くなった人は累計で6万人以上。このうち、去年12月以降に亡くなった人は、1万人以上に上ります。

 去年の同時期の死者数は、一日数人程度でした。今、何が起きているのか。医療現場を取材しました。

■“依頼急増”民間救急「病床ひっ迫状態と推測」

 夜間や休日の救急往診を行うファストドクター。

 患者の家族:「色々と探して下さった、入院ができるところを。でも、まだもっと重い症状の人がいるから、取れなかったということで」

 吉川医師:「入院先を救急隊が探してくれたけど…搬送先が、行ける病院が見つからなかったということなんですね」

 ファストドクターの窓口には、一日およそ2500件の相談があるといい、救急往診のうちの8割が発熱症状だということです。

 スタッフA:「今、救急車、出ていましたっけ?」
 スタッフB:「今はいっぱい出ていますね。3台出ていますね」

 消防による救急搬送が増えるなか、患者の搬送を行う民間の会社にも依頼が急増しています。

 株式会社スター交通・碓氷浩敬代表取締役:「今は年末辺りから、(依頼が)マックスな状態になっている感じです」

 2時間かけての搬送や、県をまたぐ搬送も相次いでいます。

 スタッフC:「行って、また戻るのに2時間くらいはかかる」
 スタッフD:「めっちゃかかるね」

 第8波の搬送で目立っているのが…。

 碓氷代表取締役:「今は70代・80代で従来だったら、この人を完全に病院にお送りする年齢区分の人が、宿泊療養施設に入るケースが増えているんです。以前はそれはなかったんです。普段、仕事していて、病床逼迫(ひっぱく)とよく言われるが、これは完全に今、その状態だろうと僕らは推測しています」

 ここ1カ月で亡くなった感染者のうち、9割が70歳以上の高齢者です。

■死者数が過去最多 原因は…「合併症多い」

 埼玉医科大学では先月の中旬以降、40あるコロナ病床はほぼ満床状態。患者の受け入れが難しくなっています。

 埼玉医科大学 総合医療センター・岡秀昭教授:「現状は、医療逼迫してしまっています」

 ワクチン効果もあり、新型コロナ感染自体で亡くなる患者は減っていますが、死者数が過去最多になっている原因について…。

 岡教授:「コロナが契機になって、何かしら持っていらっしゃる病気(持病)が悪くなって。合併症を起こして亡くなってしまう。これだけ亡くなっているということは、第8波は相当な感染者分母が多いということ。どちらかというと、死亡者の増加のほうが、コロナの今の実態を、感染者の数より反映している可能性が高いと思う」

■報告面倒で“隠れ感染者”も? 規模も最大か

 感染の規模が大きくなっていて、それに伴い死者数が増えているとみています。なぜ感染者数を十分に捕捉できないのでしょうか?

 岡教授は理由の一つに、感染者の「全数把握」を簡略化したことを挙げます。

 岡教授:「(陽性)診断の報告は、すでに自己報告になっています。実際に(各自で)やっておいてねと言うんですけれども、やり方なども教えてですね。どうも聞いてみると、面倒くさくてやんない。結構、面倒くさいですよ。かなり未報告の状態で、報告したかの確認のシステムもないものですから、捕捉できていないだろうと思います」

 “隠れ感染者”が多く、感染規模も最大の波となっている恐れがあります。

(「グッド!モーニング」2023年1月16日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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