「売上げは基本ゼロ」「みんな出て行ったよ」ロックダウン“10回以上”…ゼロコロナ政策に翻弄された国境の街の実態【報道特集】|TBS NEWS DIG

「売上げは基本ゼロ」「みんな出て行ったよ」ロックダウン“10回以上”…ゼロコロナ政策に翻弄された国境の街の実態【報道特集】|TBS NEWS DIG

「売上げは基本ゼロ」「みんな出て行ったよ」ロックダウン“10回以上”…ゼロコロナ政策に翻弄された国境の街の実態【報道特集】|TBS NEWS DIG

ゼロコロナ政策を解除した中国。一部の試算では感染者9億人、まさに"感染爆発"といえる状況だが、中国政府が死者数などについて真実を公表していないという懸念の声も。中国国内では何が起きているのか。農村や国境の街を取材、実態を追った。

■「人が死んだときの花火です」人口約1億人中"9割近く"が感染…中国・河南省の農村地帯では

農村の新型コロナの感染状況はどうなっているのか?中国・河南省の農村地帯を訪ねた。

道中、畑のなかに華やかな飾り物を見つけた。最近埋葬されたばかりの墓だという。ほかにも花や馬を型取った供え物が点在し、一帯で多くの人が亡くなったことをうかがわせる。

1月9日、河南省政府は省内の人口約1億人のうち、9割近くの人が新型コロナウイルスに感染したと明らかにした。

河南省の農村で2013年から有機農業の普及に努めている、川崎広人さん(76)。村を取材していると、パンパンと音が聞こえた。

川崎広人さん(76)「葬式の、人が死んだときの花火です」

さらに、違う方向からも花火の音がした。

川崎さん「向こうですよね」

記者「これも誰かが亡くなったということ?」

川崎さん「と思いますね」

河南省辺りで新型コロナの感染拡大が始まったのは、2022年12月15日ごろだったという。

川崎さん「一気に爆発したわけですよ、コロナが。爆発ですよ、あれは」

川崎さんの農場でも、8人中6人が感染した。

川崎さん「(周辺では)2000人の村で10人が亡くなった、という村はいくつか聞いています」

死者は、河南省だけで1万人を超えるのではないか、という見方も出ている。

記者「コロナでたくさん亡くなりすぎている感じはしますよね」

川崎さん「そうだな、それはうん」

記者「農家の人たちはしようがないと思っているんですか?」

川崎さん(76)「ほかに方法がありますか?」

川崎さん自身も、12月中旬に感染した。

川崎さん「大変だった。頭、普通は頭痛はこの辺(こめかみ辺り)が痛いじゃないですか。脳みその中が痛いんですよ。これは普通じゃないと思いましたね。ものすごく痛かった」

近くの病院に入院した川崎さん。ここ数年、農村地帯の医療体制は良くなっていると感じている。

川崎さん「いまは病院が非常に増えた。日本の県立病院くらいのレベルの総合病院で、医師のレベルも高い。病院はそんなに混んでいるわけじゃないですよ。僕がいた部屋に重病者はいなかったですね。そんなに危機的な感じや雰囲気はないですよ」

記者「ただ亡くなっていく方がいる?」

川崎さん「うん」

村の人たちに話を聞くと・・・

ーーコロナには罹りましたか?

農村の女性「感染しました。みんな罹って、もう治ったわ」

ーーどう治したの?

農村の女性「薬を飲んだ」

ーー誰もマスクをしていないけど、もう罹ったの?

農村の若者「僕はまだです」

ーー君は?

農村の若者「僕もまだ」

ーー怖くないの?

農村の若者「大丈夫。体が丈夫だから」

■10回以上のロックダウン…ゼロコロナ政策に翻弄された国境の街

約3年に及んだ中国のゼロコロナ政策に、最も翻弄されたといわれる街がある。

ミャンマーと国境を接する南部・雲南省の瑞麗。

松井智史記者「こちら税関の向こう側すぐそこにミャンマーが見えます。ミャンマーの人たちがこちらを見ているのが分かります。向こう側は車の通りが非常に多いですね。中国側とは非常に対照的です」

ゼロコロナ政策が緩和されて以降、この街も感染拡大の波に襲われた。ドラッグストアを訪ねると・・・

ドラッグストア店員「コロナに罹って治ったばかりです。身近にはいませんでしたが、亡くなった人は多いと聞きます」

12月下旬、瑞麗で撮影したとされる映像には、病院がいっぱいになったためか、外に停めた車で点滴を打つ人たちの姿もある。

実は瑞麗市は、3年間で10回以上のロックダウンがあった。中国でも最も厳しい措置により、地元経済は大きな打撃を受けた。

ヒスイなどの宝石が有名な街は、今も多くの店が閉まったままだ。

宝石店の店長「昔は賑やかだったんだよ。以前のように戻れるか、分からないね」

松井記者「こちらはコロナが感染が拡大する前はミャンマーと中国の交易で栄えた場所なのですが、ゴーストタウンのような雰囲気が漂っています」「いま周辺を歩いているのですが、全然人がいないです。びっくりです」

瑞麗でロックダウンが繰り返されたのは、なぜなのか?

そのきっかけが、2021年にミャンマーで起きたクーデターだ。地元の人によると、当時、市内に難民が増え、そこからコロナの感染が広がったのだという。2か月後、市のトップは感染拡大の責任を問われ更迭。その後、幹部たちは責任回避のためロックダウンを頻繁に繰り返してきたとも指摘される。

建材業を営む中国人男性「売上げは基本ゼロ、赤字だったよ。経営が立ち行かない、ロックダウンはもう嫌だ。そんな理由で、みんな出て行ったよ」

瑞麗を去った人は20万人とも言われ、人口の半数以上が流出したことになる。

政府に…(https://newsdig.tbs.co.jp/list/article?id=jnn-20230114-6061975)

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