中国の春節“21億人”が大移動 駅などすでに大混雑 “ゼロコロナ政策”の反動【解説】|TBS NEWS DIG
4年ぶりに移動制限のない「春節」を迎える中国では早くも各地で大混雑が始まっているようです。そもそも「春節」とは?中国では、“ゼロコロナ政策”が終了。陰性証明などが必要だった国内の移動が自由になりました。
■“21億人”が大移動 すでに大混乱
南波雅俊キャスター:
中国では4年ぶりに行動制限のない春節を迎えるということで、国内では既に混雑が始まっています。そもそも春節というところから説明していきますが、中国における旧正月2023年の場合は1月20日、年によって違います。日本のお正月にあたりまして、多くの人が帰省や旅行をするという日になっています。
2023年ですが、22日を起点に、その前日から27日までの7日間です。これが春節の大型連休ということになってきます。さらに、この春節の前後の40日間、これを「春運」といいまして、中国国内での移動人数がかなり増える時期で、のべ21億になります。2022年と比べますと、およそ2倍に増えています。さらに、2019年の“コロナ前”と比べても7割ぐらいに戻ってきているということです。
そんな中、浙江省の衣料市場では、春節に合わせて服を新調する人で賑わっていて、実際にお店の方もこの2日間で人出が戻ってきたというようなことを言っています。では、この背景にあるものはどんなものなのかといいますと、“ゼロコロナ政策”の反動ではないかということです。中国では先月、“ゼロコロナ政策”が事実上終了しました。陰性証明などがなくても、自由に国内移動が可能になったというわけです。さらに、1月8日から中国における水際対策で、入国時の8日間の隔離措置が撤廃されました。48時間以内のPCR検査が陰性であれば入国でき、海外渡航も事実上大きく緩和されたというわけです。実際に2023年の春節は、国内外問わず旅行や帰省する人などが増えているという状況です。
ではまず、中国の国内です。1月13日の上海ディズニーランドはたくさんの人でごった返しています。実際にSNSでは、行列で足が疲れた、アトラクションは2時間待ちだったというような投稿もありました。さらに、1月7日の北京中心部にある北京南駅。ここは多くの人が利用する高速鉄道の駅で、こちらも多くの人が詰めかけ、賑わっています。帰省客などでごった返しているという状況でした。帰省してる人に話を聞きますと、みんなが自由になることはいいことだが、外に出るとやはり感染への心配もあるというようなコメントもありました。
■中国政府の感染対策は?帰省しない人にはボーナスも
実際に感染対策を見ていきます。雲南省の空港では、防護服を着て移動する人の姿もあったんです。ただ、こういった状況に対して中国の地方政府も対策を講じています。上海市政府は、2022年の12月に発表した「帰省せずに年越しをする市外からの勤務者には、映画や観光地のチケットを無料で提供します」というような政策を行っています。さらに同じく上海市です。デリバリーの配達員など、市外から来ている人で春節の期間中に帰省しない場合は毎日およそ3000円を追加支給。つまり春節は7日間あるので2万円ぐらいになり、ある程度の額になります。
さらに蘇州市の政府です。企業が従業員を市内で過ごすよう手配した場合、1人およそ1万円の補助金が支給される。おそらく従業員に1万円が支給されることになるんですが、地方政府としても帰省しない人へのボーナスを与えることで、移動を最小限にとどめようという働きかけも行っている状況です。
ホランキャスター:
春節の直前に中国としては、“ゼロコロナ政策”撤廃しますというふうに動いたわけですが、この動きについてまずどのようにご覧になってますか?
米・イェール大学助教授 成田悠輔氏:
実際に何が起きてるのか、ちょっと捉えるのが難しいなって気がすごくするんですよね。“ゼロコロナ政策”が終わった直後は感染爆発が起きて、病院もごった返して大変だみたいなイメージがあったじゃないですか。そこからちょっと経つと、今度はみんな帰省したり観光したりして人がごった返してるっていうニュースも入ってくる。さらにPCR検査に関するデータとか、陽性者に関するデータも、もうよくわからなくなってる。それから中国政府が発表しているGDPに関する経済統計も、あんまり信用できないみたいな機運がどんどん高まっている。そう考えていくと中国という国で一体何が起きてるのか、というのを正確に捉えるのがものすごく難しくなっている。もしかしたらどんどん難しくなってるのかもしれないなみたいな、ちょっと穿った見方をしてます。
ホランキャスター:
国外にいる私達だけではなくて、おそらく国内にいる方々も「わからない」というような状況があるわけですよね。
成田氏:
多分、上海みたいなところにいる人と、地方にいる人とでは、捉えている国内像とかが違う可能性もありますよね。
ホランキャスター:
中国政府としては、自由に行き来ができるように“ゼロコロナ政策”を撤廃する一方で、移動しない人にボーナスやメリットを与えるような取り組みもある。こういった…(https://newsdig.tbs.co.jp/list/article?id=jnn-20230113-6061789)
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