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【解説】ストーカーから身を守るには…男女2人が刃物で刺される 「接近禁止命令」出てわずか10日ほど
25日夜、男女2人が三重県の路上で、刃物で襲われ、男性が死亡、女性が大けがをする事件がありました。襲ったのはストーカー行為をしていた男とみられ、10日ほど前に接近禁止命令が出されたばかりでした。
◇
夜中に鳴り響くサイレン。白い煙が充満する中、アパートの一室では火が。25日午後11時ごろ、三重県四日市市で起きた火災。焼け跡からは、この部屋に住む男(36)の遺体が見つかりました。現場で目撃されたのが…
火災現場近くの住民
「(警察官が)火事じゃなくて車を見ていたから、そしたら娘が『お母さんドアノブに血がついてる』って」
“血のついた白い車”、実は、死亡した男はストーカー行為を行っていて、ある事件に関与した疑いがもたれているのです。
火災のおよそ30分前、アパートからおよそ10キロ離れた住宅街。ここで会社員、伊藤信幸さん(54)と、交際相手の女性(43)が何者かに刃物で襲われました。
目撃者
「誰かがもみ合っていて、女の人が『助けて、助けて』と言ってるよって。(男性は)ぴくりとも動かない感じで、血まみれで」
伊藤さんは首と背中など十数か所を刺され死亡。女性も背中と腹を刺され大ケガをしました。近くには刃渡り15センチの包丁が2本落ちていて、女性は「以前ストーカーされていた男に襲われた」と話しているということです。
警察によると、火災で死亡した男は、伊藤さんの元同僚で、女性の元交際相手。先月、2人の車のタイヤをそれぞれパンクさせた疑いで逮捕されています。今月14日、略式命令を受け釈放されましたが、ストーカー規制法による接近禁止命令が出されていました。
目撃者
「ベランダから見てたら立ち去る車が見えて、白のキューブですね」
女性の証言をもとに、警察が男の住所を訪ねると、そこでは先ほどの火災が…。警察は、男(36)が犯行後、自殺を図ったとみて事件の経緯などを調べています。
◇
有働由美子キャスター
「今回の事件を整理します。犯人とみられる男は、先月24日、女性と男性の車をパンクさせたとして逮捕。今月14日に釈放されて、警察からストーカー規制法による『接近禁止命令』が出されていましたが…25日、2人を襲ったとみられています。つまり『接近禁止命令』が出てわずか10日ほどで事件が起きてしまったということですよね、小栗さん」
小栗泉・日本テレビ解説委員
「そうなんです。実は『接近禁止命令』が出た直後というのは、一番危険なタイミングだという見方もあるんです。警察庁のストーカー規制に関する検討会のメンバーも務めた小早川明子さんは、『命令が出て、“もうやりません”となる人もいるが、なかには絶望していたり、被害者に対して恨みを向ける可能性がある人もいて危険』と指摘しているんです」
「そもそも『接近禁止命令』は、『その人につきまとってはいけない』というもので、期間は1年、状況次第でさらに延長されます。具体的には、自宅や職場などで待ち伏せしたり、うろつく、それから、『あなたを監視している』と告げる行為。例えば、帰宅直後に『おかえりなさい』と電話するといったことです。メールやSNSでしつこくメッセージを送る。こういった行為をすると、2年以下の懲役、または200万円以下の罰金となります」
有働
「電話やメールが来たら警察に相談するとして、『待ち伏せ』というのはどうしたらいいんですか?」
小栗
「ストーカーはこちらの行動パターンを熟知しているので、例えば『仕事帰りなどを普段と違う帰り道にする』、『なるべく複数人で歩く』、『ひとりの場合は可能ならタクシーを使う』、『ホテルや友達の家など、自宅ではなく、相手が知らない場所に行く』といった、居場所や行動を把握されないことが大事。警察にパトロールをお願いすることも考えてください」
有働
「辻さん、もしストーカーされたら…と考えるだけで怖いですよね」
辻愛沙子・クリエイティブディレクター(『news zero』パートナー)
「仕方ないとはわかっているんですけど、被害者側ばかりが気持ちも、時間も、それと経済的にも負担を強いられるのは本当に理不尽だなと思います。以前、ストーカー被害に遭った友人が、1年以上たったいまでも、例えばご飯屋さんでも、場所が伝わるのが怖くてSNSで投稿できないと言っていて、被害がなくなっても怖い思いは残るんだなと思いました」
有働
「この話を聞いて、私も…と思った方は、自分を守るために、ささいなことだと思わず、『警察庁 ストーカー被害 相談』で検索すると、相談窓口やこれだけはやっておこうということも調べられますので、ぜひ一度チェックしてみてください」(2022年1月26日放送「news zero」より)
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