【山奥の絶景】極上の秘湯求め海外からも 「自然のまま守る」湯守の苦労(2022年12月21日)
記録的な大雪のなか、秘湯には21日も宿泊客が訪れています。移動も困難な山奥の秘湯になぜ人は魅了されるのでしょうか。
週末、さらなる寒波襲来の見込みで、日本海側を中心に警戒が必要となる列島各地。栃木県北部を行く車窓もほぼ白一色です。
東京から車でおよそ3時間、栃木県北部の那須岳の中腹に、秘湯と呼ばれる大丸温泉があります。折しも週末からの降雪で、雪見露天風呂が楽しめる状況になっていましたが…。この温泉が位置するのは標高およそ1300メートル。那須温泉郷のなかでも最も高く、最も奥まった場所にあります。加えて、冬ならではの苦労も絶えません。
住み込みの従業員:「(Q.雪下ろし作業は何回)一日最低2回はやらないと、朝晩に」
老舗旅館の6代目となる大高要之さんも四季のなかで冬が一番、作業が増えるといいます。
大丸温泉旅館6代目・大高要之さん:「営業自体は冬はすごく大変。屋根の雪とかつららも定期的に落としていかないと危険なので」
さらに雪や風による水温の変化も日々、調整しなくてはなりません。それでも続々と訪れる入浴客。そして極上の湯を提供するため働く宿の人たち。多くの人を引き付けてやまない秘密はお湯にありました。山深く、交通の便も決して良くないこの温泉にわざわざ来る理由は…。
那須町から一番風呂の客:「(Q.道中は)とても険しいと思う」「自動車関係の整備の仕事で、タイヤ交換などで疲れてしまったので(温泉に)」
筋肉のこわばりなどに効くという大丸温泉、ひとっ風呂浴びる前の一杯も欠かせません。
那須町から一番風呂の客:「味はしょっぱさとかもなく、やわらかい感じ」
大丸温泉の創業はおよそ200年前。
大丸温泉旅館6代目・大高要之さん:「実はここ、白戸川という川の最上流地点にあたりまして、これが今1つの温泉の川を作り上げて流れてきていて、それをせき止めて露天風呂にしている。本当に天然温泉の露天風呂」
源泉から流れる湯の川をせき止めて作った温泉のため、絶えず新鮮な湯が楽しめます。さらに天然温泉は部屋の中にも。
大丸温泉旅館6代目・大高要之さん:「何もしないぜいたくといいますか、ゆったりとした時間を味わって頂けるのが山奥の何もない秘湯の宿の魅力」
「何もない」を求めて険しい雪道を乗り越えます。
東京からの宿泊客:「東京にいる時は色々考えるんですけど、ここに来るとシーンと音もしないですし、もうゆっくりするしかないという感じがいいです」
埼玉からの宿泊客:「もう温泉につかるだけ。露天につかるだけ。それでおしまいと」
国境すら越える人もいます。
韓国からの宿泊客:「(仕事で)通勤も大変ですし、だから人が混まない所に旅行で来たいと。コロナで3年間来られなかったから、3年ぶりですごく楽しみ」
迎える側も困難は覚悟のうえ、自然のままの秘湯を守り続けます。
大丸温泉旅館6代目・大高要之さん:「『秘湯は人なり』と言いまして、そこにいる宿主が旅人をお迎えする。その姿勢が湯守であって、皆そういう苦労をしながらも、不便な場所でもそうやって守っていくというのが秘湯だと思う」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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