長期金利の変動幅0.5%に拡大で円高に…日銀 予想外の大規模緩和“修正”(2022年12月20日)

長期金利の変動幅0.5%に拡大で円高に…日銀 予想外の大規模緩和“修正”(2022年12月20日)

長期金利の変動幅0.5%に拡大で円高に…日銀 予想外の大規模緩和“修正”(2022年12月20日)

日銀は金融政策決定会合で、大規模な金融緩和策の一部を見直すことを決めました。これまで0.25%としていた長期金利の変動幅を0.5%程度に拡大する方針です。
日本銀行・黒田東彦総裁:「春先以降 海外の金融資本市場のボラティリティ(変動性)が高まっており、わが国の市場も影響を強く受けている。こうした状態が続けば企業の起債など、金融環境に悪影響を及ぼす恐れがある」

事実上の金融引き締めにあたると受け止めた市場は、即座に反応します。 円相場は一時、1ドル131円台後半に上昇。半日で5円以上も上がり、4カ月ぶりの、円高水準です。

輸入雑貨を扱うお店は、久々の円高水準に、歓迎ムード一色かと思ったら、そうでもないようです。クリスマスは、もう5日後です。本場ドイツのクリスマスマーケットから直接、買い付けることもあり、2月から仕入れを始めていたそうです。
教文館・小松譲治店長:「できれば“円安対策”を、もっと早くしていただければ、助かった。(Q.いまかという感じ)正直そうですね。(Q.輸入品をたくさん扱う店では“1円円高”でも違う)影響は、もろに受けてしまいますので、助かります。来年1円でも円高が進んでくれれば、うれしい」

これまでより金利の上昇を許容することになると、大きな買い物に影響が出る場合もあります。最近、ローンを組んだばかりの男性は、こう話します。
建て替えで住宅ローン契約・会社員(50代):「支払い始まったときに『うっ』と来るかもしれない。いまは、まだ実感できないけど。正直、いいことではない」

ただ、そのローンは変動金利で、すぐに変化はしないとみられています。今回の見直しでは、固定金利に影響が出そうです。

20日の東京株式市場は、幅広い銘柄に売り注文が広がり、日経平均株価は、一時、800円以上、値下がりしました。

そもそも黒田総裁、9月の会見では、こう述べていました。
日本銀行・黒田東彦総裁:「(Q.許容上限を(0.25%から)引き上げると“金利引き上げ”“金融引き締め”になるか)それはなると思う。±0.25%をもっと幅広くしたら、仮にその上の方にいけば、明らかに金融緩和の効果を阻害する。そういうことは考えていない」

20日、改めて、事実上の利上げなのかどうか聞きました。
日本銀行・黒田東彦総裁:「金融緩和の効果が、企業金融などを通じ、より円滑に波及していく趣旨で行うもの。利上げではありません」

あくまで一部を見直すだけで、金融緩和策に変更はないと強調します。
日本銀行・黒田東彦総裁:「出口政策とか出口戦略の一歩では全くない。物価安定の目標を持続的・安定的に実現するために金融緩和の継続が適当」

今後、さらなる拡大の必要もあるかについては、「いまのところ考えていない」そうです。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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