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28歳アナウンサー「発声障がい」と闘っています。ある日突然 喉に違和感が… 絶望の末に伝えたかった“声の病気”のこと【news23】|TBS NEWS DIG
みなさんは“声の病気”「発声障がい」をご存知でしょうか?声が出しづらくなったり、詰まったりする症状があるそうなんです。今この「発声障がい」と闘っているアナウンサーがいます。声を生業とするアナウンサーが、絶望を感じた末に伝えたかったことがありました。
■ある日突然喉が… 「発声障がい」と闘うアナウンサー
入社6年目、夕方のニュース番組を担当する、山田祐也アナウンサー(28)。
ある日、ナレーションを収録しようとしたとき、突然、喉に違和感を覚えたといいます。
山田アナウンサー
「2年前突然、声に違和感が生じ、限定的な場面で…(言葉に詰まる)『か行』と『た行』から始まる言葉がこのように、喉の奥で詰まるようになりました」
声帯に“フタ”をされているかのように、喉元まで上がってきた声が出なくなりました。
「過緊張性発声障がい」とは、自分の意思に反して喉の筋肉が過度に緊張し、声が出しづらくなる病気です。
山田アナウンサーの場合、日常会話には問題なく、“声詰まり”は、ナレーション収録や生放送などの限定的な場面だけ。
周りの助けも得て、アナウンサーを続けながら「発声障がい」についての取材を始めました。
県立広島大学(音声の専門医)田口亜紀医師
「原因はいろいろあるんですけが、一つは声を出し過ぎる、酷使しすぎる。もう一つは、精神的、メンタル的要素が絡んで声が出しにくくなる」
喉にポリープができるなどの場合を除き、そのほとんどは声帯に異常が見られないため、「根本的な治療方法はない」といわれています。
山田アナウンサー
「一生治らないケースもあるんですか?」
田口医師
「ありますね、正直」
■“サポートより知ってほしい” 症状は人それぞれ
山田アナウンサーが「発声障がい」の取材で出会った、市川涼子さん(38)。
市川さんが打ち合わせに指定したのは、松山市内にあるカフェでした。
市川さん
「注文がタブレットでできて、店員さんと話さなくていいところが気に入っています」
市川さんは10年前、喉の筋肉が痙攣して声がかすれたり、出づらくなったりする「痙攣性発声障がい」と診断されました。
勤務先でレジ打ちをする市川さん
「1055円お預かり致します」
客
「大丈夫ですか?声」
発声障がいの症状は、人それぞれ。
市川さんの場合、症状が現れるときと、そうでないときがあり、大きな声も出づらいといいます。
市川さん
「レジのときだけ出なかったので理解は全然されなかったですし、『声出てるやん』って言われることもよくありました。周りの人とのコミュニケーションがなかなかとれないことも、すごくつらい」
高知大学の調査によると、痙攣性発声障がいの患者は全国に7000人前後いると推計されています。しかし実際には、より多くの人が悩んでいると考えられていて、「発声障がい」全体の患者数は分かっていません。
2022年11月、発声障がいの患者交流会に参加した市川さん。
交流会の参加者
「ある日突然、急に皆さんと同じように声が出しづらくなって」
「この声で伝わる?」
声が出ないときには筆談も行いながら、日常の出来事や悩みを共有します。
交流会の参加者
「口の動きで分からせようとするのが(マスクで)今できない」
SDCP発声障害患者会 田中美穂代表
「コロナ禍で発声障がいの人、ほとんどが苦しんでいるんじゃないかな」
根本的な治療法はありませんが、症状を和らげる効果が期待されているのが声帯の筋肉の緊張をほぐす、ボトックス注射。
市川さんも打ちました。症状を和らげる注射には2018年に保険が適用されましたが、それでも自己負担額は1万円から2万円程度。3か月に一度注射を打つ患者が多く、経済的な負担が強いられます。
山田アナウンサー
「発声障がいという病気に対して、社会的にどんなサポートがあったら嬉しいと思いますか?」
交流会の参加者
「そっとしておいてほしい。みんなが(発声障がいを)分かっていたら、そのまま流してほしい」
「詰まったり震えたりするんだけれども、声自体は出ないわけではない。(声が)中途半端に出ちゃうところが難しい」
市川さん
「サポートしてほしいというよりかは、知ってほしい」
インタビューの途中で市川さんは、山田アナウンサーにこう呟きました。
市川さん
「話すことを避けるのをなるべくやめたいなって最近思っています。発声障がいがあっても接客をしてもいいし、そういうアナウンサーがいてもいいと思いますし、『発声障がいがあるからできない』というのはなくなったらいいですよね」
■「アナウンサーを辞めることも考えた…」 発信する側として前を向くきっかけ作りを
小川彩佳キャスター:
自身も発声障がいを抱えている、愛媛あいテレビの山田祐也アナウンサーにお話を伺います。
山田さんは、どんなときにどんな症状が出るんでしょうか?
山田祐也 itvアナウンサー:
主にナレーションのブースで原稿を読もうとしたときや、生放送のスタジオでニュース原稿を読もうとしたときに症状が現れます。『か行』と『た行』が頭に…(https://newsdig.tbs.co.jp/list/article?id=jnn-20221215-6057441)
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