【防衛増税】「国民自らの責任」岸田総理発言に批判も 安倍派への配慮のはずが…(2022年12月14日)

【防衛増税】「国民自らの責任」岸田総理発言に批判も 安倍派への配慮のはずが…(2022年12月14日)

【防衛増税】「国民自らの責任」岸田総理発言に批判も 安倍派への配慮のはずが…(2022年12月14日)

 防衛費増額に向けた財源を巡る議論が大詰めを迎えています。ただ、ここへきてくすぶっているのが「国民が自らの責任として対応すべき」とした増税を巡る岸田総理自身の発言です。

 自民党・中村裕之衆院議員:「増税には慎重にあるべきという意見が大勢を占めたと思っている」

 自民党・城内実衆院議員:「大体30人近くが慎重、反対論」

 自民党・佐藤正久参院議員:「『慎重に』あるいは『反対』と言う人が圧倒的に多かった」

 防衛費を増やすために増税する。この岸田総理の方針には、自民党内からも異論反論が噴出していましたが…。

 自民党・宮沢洋一税調会長:「きょうはきのうに引き続き、防衛費の税財源についてのご議論を賜りたいと」

 14日、自民党税制調査会の幹部会合は、法人税、所得税、たばこ税の増税分を財源に充てることで大筋合意をしました。

 所得税については、「復興特別所得税」の仕組みを「転用」するとしています。

 自民党・宮沢洋一税調会長:「所得税については復興所得税につきまして、しっかりと財源規模は確保したうえで、少しこれを延長すると」

 「復興特別所得税」は、東日本大震災の被災地を復興するためとして所得税に2.1%上乗せしたもの。あくまで期間限定の増税で、2037年に終わる予定です。

 政府・与党は、2.1%の増税分のうち一部を防衛費の財源に切り替え、復興財源が減った分については増税期間を14年間延長して確保する方向で調整しています。

 岸田総理は土曜日、こう発言していました。

 岸田総理大臣:「個人の所得税の負担が増加するような措置は取らない」

 確かにすでに徴収している復興所得税の一部を防衛費に回しても、年間の所得税の負担は増えません。

 ただ徴収期間が延長されれば、実質的な増税と言えます。党内の意見はまとまったのでしょうか。

 自民党・塩谷立税調小委員長:「(Q.予算編成を考えると今週中に大綱の草案)少なくともあした他の税制については了承を求めて、この財源問題はその後最後にやると」

 自民党・三原じゅん子議員:「こんなにいきなり、まして増税ありきで、話が進んで、全く私たちの意見というのも響いているのかどうか」

 自民党・高鳥修一議員:「とても今、理解を得られたという状況ではない。そしてこの状況で拙速に結論を出す。聞かない力を発揮して、きょう一任を取るということになれば、今後の政権運営に禍根を残すと」

 自民党の茂木幹事長によると岸田総理は、13日、こう発言しました。

 自民党・茂木幹事長(※岸田総理の発言を紹介):「責任ある財源を考えるべきであり、今を生きる国民が自らの責任として、しっかりその重みを背負って対応すべきものである」

 急に降って湧いたように出てきた防衛増税ですが、岸田総理は国民の責任としてその重みを背負うべきだと主張したといいます。

 ジャーナリスト・白鴎大学名誉教授、後藤謙次氏:「あの言いっぷりを見ると、ある程度、用意された言葉のような気がする。原作は誰か分かりませんが、『赤字国債でもいいんですか?』という質問が飛んだ時にこう答えるんだと一定程度決めていたと思う。そこで非常に強い言い回しになってしまったと。岸田さん自身の思いは変わらないんじゃないかと。それぐらい今回の増税議論に対しては揺るぎない信念があるなと。増税路線を定着させたいという財務省の思いがあそこの表現に凝縮されているのではないかと」

 さらに政府は、自衛隊の施設整備費の一部に「建設国債」を活用する方針も固めました。

 戦時中の軍拡を招いた過去から公共事業などに使い道を限ってきた国債の在り方を大転換させることになります。

 また、岸田総理の発言とも齟齬(そご)が生じています。

 岸田総理大臣:「国債でというのは未来の世代に対する責任として取りえないと思っています」

 ジャーナリスト・白鴎大学名誉教授、後藤謙次氏:「防衛費43兆円というが、なぜそれくらいかかるのか?その前段の『日本の脅威』とは何か?根本の論議がないまま、あれよあれよという間に出口の財源の話から始まったため議論が混乱し、立ち位置によって様々な意見が噴出した。党内第4派閥の岸田総理がどのようにしたら安定的な政権運営ができるのか。そこが(岸田総理の)第一優先順位だと思う。党内の保守層、国民的な保守派と呼ばれている人たち、そういう人たちの離反を招かないというの第一優先順位だったと思う。安倍元総理が3つ遺言を残したと思う。一つは敵基地攻撃能力を用意する。防衛費についてはGDPの2%にする。場合によっては赤字国債を発行してもいい。(岸田総理は)赤字国債については財政規律を重んじる自分の立場からは受け入れられないと」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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