【同性婚訴訟】法制度ナシは「違憲状態」「重大な脅威、障害」東京地裁

【同性婚訴訟】法制度ナシは「違憲状態」「重大な脅威、障害」東京地裁

【同性婚訴訟】法制度ナシは「違憲状態」「重大な脅威、障害」東京地裁

同性婚を認めていないのは憲法違反だとして、同性カップルが国を訴えた裁判。東京地裁は30日、「違憲状態」と指摘しました。現行の法律は憲法違反ではない一方、同性カップルへの法制度がない現状は「個人の尊厳」に照らして違憲状態にあると判断しました。

■同性婚の訴訟各地で…判断分かれる

有働由美子キャスター
「30日、東京地裁の前で『婚姻の平等に前進!』と書かれた幕が掲げられました。同性婚を認めていないのは憲法違反だとして、同性カップルが国を訴えた注目の裁判。東京地裁は、『憲法に違反する状態』と指摘しました」

「こうした訴訟は全国各地で起きていて、札幌地裁は『違憲』(去年3月)、大阪地裁は『合憲』(今年6月)と判断が分かれるなか、今回の東京地裁は『違憲状態』でした。これはどういうことなのでしょうか?」

■争点は憲法24条…1項は「合憲」

小栗泉・日本テレビ解説委員
「争点になったのが、婚姻の自由を保障する憲法24条です。1項の『婚姻は両性の合意のみに基づいて成立』について、東京地裁はこう判断しました」

「『男女が子を生み育て、次の世代につないでいくという古くからの人間の営みだという価値観を一方的に排斥することも困難だ』として、同性婚を含まないのが相当。つまり、憲法には違反していないとしました」

■家族になる制度ナシ…2項は違憲状態

「その一方で違憲状態としたのが、憲法24条2項に示された『個人の尊厳』です。現状、同性カップルは配偶者控除や子どもの共同親権などが法的に認められていません」

「東京地裁は、パートナーと家族になるための法制度が存在しないことについて『重大な脅威、障害であり、個人の尊厳に照らして合理的な理由があるとは言えない』としました」

有働キャスター
「つまり、同性カップルが家族になれるような法的な制度がない今の状況は違憲状態だ、と指摘したのですね」

小栗委員
「そうです。ではどうするべきか。判決では、今の婚姻制度に同性婚を含めるのか、あるいは一部の国で導入されているような婚姻と近い別の制度とするのかなどは国会が考えることだとして、今の法律そのものは憲法違反ではないとして、損害請求は退けています」

■辻さん「誰かの権利は奪われない」
有働キャスター
「ボールは国会に投げられていると」

小栗委員
「そうです。判決後、原則側の廣橋正さん(53)は『パートナーが異性であっても同性であっても家族として築ける。同じように価値のあることだと裁判所が認めてくれた』と話していました」

「同性婚訴訟に詳しい早稲田大学の棚村政行教授は『同性カップルの皆さんの生活上の不利益などに、ようやく司法も真摯に向き合い始めた』としています」

辻愛沙子・クリエイティブディレクター(「news zero」パートナー)
「まだ道のりがあるとはいえ、今回の判決は素直にうれしいなと思いました。東京地裁の判決にもあった、『伝統的な価値観とも両立し得る』という点も大事だなと感じました」

「同性婚はさまざまな家族のあり方に、新しく選択肢が増えるだけのことで、誰かの権利を奪うものではありません。個人の尊厳が実際にこの瞬間も奪われている人が多くいるので、『いつか、いつか』ではなく、1日でも早く実現してほしいなと思います」

有働キャスター
「東京地裁の判決は、それぞれの価値観を尊重しながら乗り越えられる可能性を示したものだと思います。同性婚を問う裁判は、今後も各地で続きます」
(2022年11月30日放送「news zero」より)

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