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“白い紙”掲げるワケ…「共産党 退陣!」「習近平 辞めろ!」中国で異例“抗議デモ”(2022年11月29日)
ゼロコロナ政策を推し進める中国で、習近平国家主席の退陣を要求する異例のデモが行われた。参加者たちが一様に手にしていたのは、なぜか「白い紙」。そのワケに迫る。
■“抗議デモ”上海だけでなく北京でも
長い間、自由を制限してきた中国のゼロコロナ政策。積もりに積もった市民の不満が上海で表面化した。
抗議デモの参加者:「あなたたちは、仕事もごはんもお金もある。私たちは?私たちは?もう3年だぞ。クソくらえ!」
こうした動きに、中国当局は現場を封鎖した。
現場周辺には、バリケードが設置されようとしているが、「解放しろ!解放しろ!」という声が群衆から沸き起こっている。
抗議デモのきっかけとなったのが24日、新疆ウイグル自治区のウルムチで10人が死亡したマンション火災。周辺地域がロックダウンされていたため、消防の到着の遅れにつながったという批判が巻き起こった。
抗議デモは上海だけでなく、首都・北京でも行われた。
抗議デモの参加者:「PCRはいらない!ごはんを食べたい!PCRはいらない!ご飯を食べたい!ロックダウンはいらない!自由がほしい!ロックダウンはいらない!自由がほしい!」「人間らしく生きていたい!」
他にも、習近平国家主席の出身大学でも、抗議デモが行われた。
抗議デモの参加者:「(抗議しないと)清華大学の学生として、一生後悔してしまいます」
■極めて異例…習主席に“批判の声”
市民の怒りの矛先は、習政権にも向けられている。
抗議デモの参加者:「共産党、退陣!共産党、退陣!習近平、退陣!習近平、退陣!習近平、辞めろ!習近平、辞めろ!」
習主席に対し、批判の声が上がるのは、極めて異例のこと。
この抗議に対し、中国外務省は、次のように話した。
中国外務省・趙立堅副報道局長:「把握していない」
厳しい言論統制がなされる中国において、抗議デモを行うため、市民が手にしたもの。それは「白い紙」だった。
抗議デモの参加者:「この白い紙、何も表現してないようですが、すべてを表現しています」
■なぜ?「白い紙」には“2つの意味”
習主席の退陣を求めるデモで、参加者たちが「白い紙」を手にしていた背景を見ていく。
27日、北京市内で発生したデモでは1000人近くの市民が集まり「白い紙」を掲げて、厳しいゼロコロナ政策に抗議した。
また、同じ日に上海で行われたデモでも、「白い紙」を掲げた市民ら数千人が集まり、参加者からは「習近平は退陣せよ」といった異例の声も挙がっていた。
ロイター通信によると、こうしたデモ参加者らが手にする「白い紙」「白紙」には、2つの意味があるという。
1つは、政府批判の文言を掲げないことで、検閲や逮捕の対象になるのを避ける作戦。
そしてもう1つは、そのことから「白紙」自体が言論の自由がないことの象徴となっているという。
デモに参加した人は「白紙は、私たちが言いたいが言うことができないすべてを表している」と、話しているという。
実は、中国ではこうした「白紙」を使った抗議が過去にもあった。
中国上海で発行された2011年7月30日付けの「東方早報」という新聞。新聞名と「高速鉄道事故の賠償金額が91万5000元に引き上げ」という見出しだけが印字されていて、それ以外は真っ白というものだった。
2011年7月23日に起こった、高速鉄道事故を報じようとした新聞だった。白紙の理由は、次のようなものだった。
40人が死亡した高速鉄道事故の車両を埋めようとした政府の対応などを批判するメディアに対し、「公式発表以外報じてはならない」などとして当局が報道規制を強化していた。
テレビ朝日の安江伸夫元北京支局長によると「用意していた記事が出せなくなったため、紙面を『白紙』にして発行し、抗議の意思を示した」という。
しかし、今回の「白紙」デモに対し、政府は早くも検閲を強めようとしていて、ロイター通信によると、中国版ツイッター・ウェイボーでは、「白紙運動」という言葉が使えなくなっているという。
(「大下容子ワイド!スクランブル」2022年11月29日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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