「人を売るやつは許さん」署長が“口止め”か 今治市の消防署「パワハラ」問題【解説】|TBS NEWS DIG

「人を売るやつは許さん」署長が“口止め”か 今治市の消防署「パワハラ」問題【解説】|TBS NEWS DIG

「人を売るやつは許さん」署長が“口止め”か 今治市の消防署「パワハラ」問題【解説】|TBS NEWS DIG

救急用チューブを鼻から喉の奥まで挿入したり、仮眠時間に無理やり「筋トレ」をさせるなどの「パワハラ」が繰り返されていた愛媛県・今治市の消防署。署長が、部下に”口止め”ともとれる発言をしていたことが新たにわかりました。一体、何が起きているのか?「パワハラ」の実態をまとめました。

■暴言、殴る蹴る、「筋トレ」に「救急チューブ挿入」…相次ぐ“パワハラ被害”

井上貴博キャスター:
上下関係が徹底されていて、職務上厳しい指導が必要な措置があるとはいえ、暴力・暴行と言える行為が浮かび上がっています。愛媛県・今治市での消防士のパワハラです。パワハラという言葉がもう当てはまらないほどの実態です。口止めを指示していたということも疑いとして新たにわかってきました。

パワハラ被害を受けた、現役の消防士がJNNの取材に応じてくださいました。

・長期にわたる暴言
・仮眠時間に無理やり「筋トレ」、長時間のけん垂などを強要させる
・飲み会で殴る蹴るなどがあった

複数の消防士から“パワハラ被害”相談を受けているということです。

そして救急現場で使用する気道確保するためのチューブ、これを鼻から喉の奥まで挿入され出血したということがあったそうです。

そして、市が調査に乗り出しました。9月、パワハラに関する投書にて、行為者名や具体的な行為が記載されるようになるということで調査を進めました。10月以降、職員らの聞き取り調査が始まり、適切な範囲を超えたパワハラ行為が認められ、職員2人が懲戒処分を受けています。

この職員2人がどんな行為をしていたのかについてです。

■「人を売るやつは許さない、わしのことを言うなよ」署長は“口止め”を指示か

課長補佐級50代の男性職員は、部下4人に対してのパワハラが認定されました。部下の襟首を引っ張り、後によろけさせる行為。叱責の内容としては「お前は馬バカか」「お前はアホか」「お前の文章は小学生以下」などの言葉があったようです。

そして、書類の訂正に対し、指示に具体性がない中、何度も差し戻し。完成した書類は、言葉尻が少し変わった程度だった。ある部下は差し戻し40~50回させられたというような証言もあったようです。

もう1人の職員は係長級です。40代の男性職員の部下6人に対してのパワハラが認定されました。職場の飲み会の二次会にて、部下を2、3回平手打ち。40代職員は酒に酔っていてよく覚えていないと話しているようです。

特定の相手に対して
・呼びかけに答えない
・部下を通じてしか話さない

ということを繰り返していたようです。深夜の仮眠時間に無理矢理筋トレをさせるということに関しては「署全体で体力を上げていこうという趣旨だった」という発言を本人がしているそうです。

気道確保時に使用する救急用のチューブを後輩職員の鼻の中に挿入していたということですが、これは訓練時以外使用することは禁止されています。この部分はもうパワハラという度を明らかに超えているだろうということで、不適切な行為として懲戒審査会に報告が挙げられたということです。

関係者によりますと、聞き取り調査を受ける部下に対し、署長は「人を売るやつは許さない、わしのことを言うなよ」と口止めともとれる発言をしていた。署長がこういう発言をするということは組織としてだいぶ腐敗している。この組織をどう変えていくのかというところになっていくわけです。

■厳しい指導こそ上司が“根拠”をわかっていることが大事

ホラン千秋キャスター:
命に関わる仕事についてらっしゃる皆さんですので、状況に応じて厳しさが求められるということはあると思うんですけれども、厳しさと、人として対応の仕方が間違ってるという境目が、なくなってしまっていたのかなというような印象も受けますよね。

スポーツ心理学者(博士)田中ウルヴェ 京さん:
例えば、危険な競技をすることもあります。我々はスポーツで何かちょっとでも間違うと本当に大怪我をする練習をするとき、あるいは消防士の皆さんだったら、本当に生死に関わるお仕事。厳しい指導という言葉はよくわかります。でも、厳しい指導だからこそどんな根拠のある指示なのか、ということが大事であり、例えば「無理やり深夜に筋トレをさせると、どんな科学的なメリットがあるのかということをあなたは言えるんですか。それがないのであればそれはいじめにしかなっていない、つまり厳しい指導の範囲ではない」というような一つ一つの根拠を、当事者の上司側がしっかりわかっていることが大事ですね。

そこの範疇を超えてしまうと、パワハラというよりか、単なるいじめになってしまうということはしっかり理解をしてなければいけないのが上司側ですよね。でもそれが言えないムードなのであれば、今度は風土の問題になりますので、そうすると、なぜそんな風土なのかということもしっかり見なければいけないですね。

ホランキャスター:
言えないだけではなくて「言ったらどうなるかわかってるよな」というような圧を感じるようなことを言われてしまうと、さらに言えない風土になっていってしまいますよね。

ス…(https://newsdig.tbs.co.jp/list/article?id=jnn-20221128-6054487)

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