対策“手探り”オミクロン株から高齢者どう守る?忽那賢志教授に聞く(2022年1月21日)

対策“手探り”オミクロン株から高齢者どう守る?忽那賢志教授に聞く(2022年1月21日)

対策“手探り”オミクロン株から高齢者どう守る?忽那賢志教授に聞く(2022年1月21日)

今、若い世代に新型コロナの感染者が多い状況ですが、感染力の強いオミクロン株から高齢者をどう守るかが課題となっています。

東京都内の高齢者施設では対策が進められていました。これまでは、同じ部屋でアクリル板越しに面会を行ってきましたが、オミクロン株の急拡大で、ガラス越しの面会に変更しました。
博水の郷・田中美佐施設長:「近隣の施設でも少しずつ感染者が増えていると聞いて、今、考えられる対策は一生懸命している。こう拡大していると、どう対策してもなってしまう恐れがあるのが心配」

高齢者に重点を置いた対策は、沖縄県でも始まっています。ドライブスルー方式のPCRセンターには、行列ができていました。沖縄県は、新たに61歳以上を対象とした専用枠を設けました。1日最大1100人に対応できます。
沖縄県・糸数公医療技監:「新たな感染者数は、少し伸びは鈍化してきてはいるが、年代がかなり中年・高年の方に徐々に増えていって。高齢者が予約を取りやすい環境を作って、早めに診断して治療できるようにPCRの検査を設けている」

宮古島などでの調査では、全世代で見ると、中等症の患者は少ないものの、高齢になるほど症状が重くなっています。80歳以上では、21.4%が、酸素投与が必要な『中等症II』です。

先週、全国で発生した“高齢者施設のクラスター”は52件。第5波のピークを上回っています。今年に入りクラスターが発生した2つの施設では、基本的な感染対策のほか、外部業者の出入りを禁止ししていました。
クラスター発生の施設:「最初が職員なのか、入居者なのかも特定できない状況。そのくらいわっと広がってしまった」

◆感染症対策に詳しい大阪大学の忽那賢志教授に聞きます。

(Q.沖縄県では、感染の年代が若い世代から、高齢者に広がっていますが、こうしたことは、全国でも起こり得るのでしょうか)
これまでの流行を見ても、最初は若い世代が感染の中心で、徐々に高齢者にも感染が広がるということが起こってきました。沖縄は全国よりも第6波が早く流行が始まっているので、この傾向がすでに現れてきているものと思われます。

(Q.高齢者への感染が広がると、重症者も増えていきますか)
大阪府の発表した資料によりますと、第6波では1月16日までに19530人の感染者のうち、9人が重症、5人が亡くなったという報告がされています。重症者や死亡者の傾向としては、高齢者と、ワクチン未接種者が多かったということです。感染者が増えてくると、高齢者やワクチン未接種の人の重症化が増えるということが顕著になってきてしまうと思います。

一方で、若い世代の対応をめぐっては、厚生労働省アドバイザリーボードの脇田座長が、「感染拡大がさらに進めば、若い世代で症状の軽い人は、検査受診を急がずに、ハイリスクな人の医療を優先する状況になる可能性がある」と発言しました。

(Q.若い世代で軽い症状であれば、自宅で安静にするという可能性もあるとなると、若い人の中にも、不安もあると思いますが、どうでしょうか)
この発言は、今すぐということでなく、今後、さらなる感染拡大が起こり、検査試薬の不足などを考えての発言だと思います。大阪府も接触歴を追えない人が7割を超えてきており、検査の陽性率も20%超えてきているので、だんだんと検査が追いつかなくなってきている状況が起きています。第1波のときにも、こうしたことがありましたが、本当に検査が追いつかない状況に追い込まれた場合には、重症化リスクの高い人をしっかりと診断して、しっかり治療をする。そして、リスクの低い人には、検査をせずにコロナとみなして自宅療養していただくことをお願いせざるを得ないということかと思います。

(Q.自宅療養の場合、自己判断で市販薬などを飲んでもいいのでしょうか)
解熱剤やせき止めなどの薬は飲んでいただいて問題ありません。ただ、抗ウイルス薬などのコロナ用の飲み薬は、現時点では医師の処方が必要ですし、重症化リスクがある方が対象になっています。若くて、リスクがない方の場合は、オミクロンの場合、ほとんど対症療法のみで回復しますので、様子を見ていただければと思います。オミクロン株は、若い人の重症化はまれですが、感染した後の後遺症に悩む人もいますし、オミクロン株の次に出てくる変異株の重症度は、まだわかりません。まだまだ油断はできませんので、引き続き、注意をしてほしいと思います。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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