【森友公文書改ざん】自殺した職員妻の訴え棄却 “改ざんの方向性”決定づけた元理財局長は尋問されず…
森友学園をめぐる公文書改ざん問題で自殺した元近畿財務局職員・赤木俊夫さんの妻が、当時の理財局長に賠償を求めた裁判で、25日、妻側の訴えが棄却されました。妻は「『これが答えなのか』と思うと、残念でならない」と話し、控訴することを決めました。
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「夫の死の真相を知りたい」。自殺した元近畿財務局職員・赤木俊夫さん(当時54)の妻・雅子さんはその一心で闘い続けました。
訴えを退けられた雅子さんは「ああもう、残念でならなかったです。何のために裁判2年8か月頑張ってきたんだろう。『これが答えなのか』と思うと、残念でならなかったです」と、悔しさをにじませました。
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赤木俊夫さんは森友学園をめぐる財務省の公文書改ざんに関わったことを苦に、2018年に自殺しました。
“改ざんの方向性”を決定づけたのが、当時の財務省理財局長・佐川宣寿氏です。佐川氏は2017年、国会で「近畿財務局と森友学園との交渉記録はございませんでした。記録は残ってございません」と答弁していました。
“夫はなぜ改ざんに関わり、命を落とさなければならなかったのか”…雅子さんは2020年、国と佐川氏を提訴しました。
2021年6月、裁判では俊夫さんが改ざんの経緯をまとめた、いわゆる“赤木ファイル”が開示されるも、肝心な部分は“黒塗り”で真相解明にはほど遠い状況でした。雅子さんはファイルにつづられた資料のコピーをめくり、ページの隅にある手書きの文字を指さして「あ、これ夫の字です」と話していました。また、経緯が書かれたページでは「指示者の名前が黒塗りにされていたので、それではなんの意味もない」と怒りをあらわにしました。
さらに半年後の2021年12月、当初は争う姿勢を見せていた国が一転。雅子さんの請求を全面的に受け入れる手続きをとり、一方的に裁判を終わらせたのです。
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残された佐川氏への裁判。争点は「佐川氏個人の責任を問えるかどうか」です。これまで一度も佐川氏は裁判で尋問されることはなく、弁護士までもが欠席する中、25日に判決が伝えられました。
大阪地裁は「決裁文書等の改ざん指示について、被告は損害賠償責任を負わない」と佐川氏側の主張が認められ、雅子さんの訴えは棄却されました。
「国家公務員が損害を与えた時は、法律では国が賠償責任を負うため、個人に責任はない」と佐川氏側の主張が認められました。
判決では「被告に賠償責任がない以上、改ざんを指示した行為について説明したり、謝罪したりする法的義務も発生しない」と判断しました。
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夫のマフラーを身につけ、判決を聞いた雅子さんは控訴することを決めました。
赤城雅子さん
「夫は法律に守ってもらえなかった。佐川さんは法律で守ってもらえるんだ、犯罪行為をしても守ってもらえるのは理不尽だなって。こんな判決を夫に伝えたら、夫はどんな顔をするだろうな。死ぬことを選んで本当に残念だけど、そんなひどい組織に守ってもらえるより、夫は自分の意志を貫いて、私は尊敬してるし…大好きです」
さらに雅子さんは「何の意図があって、そう(改ざんの指示)したのかを、私は今でも知りたいし、佐川さんの口から直接聞きたい」と訴えました。
(2022年11月25日放送「news zero」より)
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