国内初“卵巣凍結”技術で…がん患者3人が出産(2022年11月23日)

国内初“卵巣凍結”技術で…がん患者3人が出産(2022年11月23日)

国内初“卵巣凍結”技術で…がん患者3人が出産(2022年11月23日)

 聖マリアンナ医科大学によると、出産したのは30代から40代の乳がんや悪性リンパ腫を患った女性3人です。

 がん治療を受けた患者が、卵巣凍結技術を使って出産するのは、国内では初めてといいます。

 この研究を進める聖マリアンナ医科大学の鈴木直主任教授は、次のように話します。

 鈴木主任教授:「がんの患者さんが、希望を持ってがんと闘う光が必要だと思って。日本においても、この領域を皆で作ってきた」

 がん患者は、治療の種類にもよりますが、抗がん剤や放射線治療によって卵巣の機能が失われ、不妊になる恐れがあります。

 これを防ぐため、聖マリアンナ医科大のチームは、患者の卵巣を取り出して短冊状に切り分け、急速に冷凍して保存。がんの治療が一段落した時点で、卵巣を元の体に移植します。これにより、妊娠・出産ができる可能性が出てくるということです。

 鈴木主任教授:「この技術、つまり新しい研究段階の臨床応用されたばかりの技術でしか、将来の選択肢、子どもを授かる選択肢を残すことができなかった患者さんが、この卵巣移植をした患者さんの中に含まれているという点に意味がある」

 この治療は、月経が始まっておらず卵子を採取するのが難しい小児がん患者にとって重要な手段になると期待されていて、現在、10代から20代が対象だということです。

 一方で、この治療はまだ研究段階で、鈴木主任教授は命を守ることが最優先という立場から、がん治療を優先すべき時は卵子や精子などを凍結保存することができないこともあると話します。

 鈴木主任教授:「何よりも、がん治療医と妊よう性保存担当の医師が密な連携をして、患者に寄り添ってサポートする体制の構築が大切です」

(「グッド!モーニング」2022年11月23日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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