【講談社元編集次長妻“殺害”】高裁で審理「やり直し」へ…

【講談社元編集次長妻“殺害”】高裁で審理「やり直し」へ…

【講談社元編集次長妻“殺害”】高裁で審理「やり直し」へ…

妻を殺害した罪に問われた講談社元編集次長の上告審判決で、最高裁は21日、審理を高裁に差し戻すよう命じました。妻の顔の血痕と自殺との関係について「審理が尽くされていない」「重大な事実誤認の疑いがある」と指摘しました。今後のポイントを考えます。

■手紙で心境…「子ども抱きしめたい」
2016年、都内の自宅で妻の佳菜子さん(当時38)を殺害した罪に問われている、講談社元編集次長の朴鐘顕(パク・チョンヒョン)被告(47)。初公判では「私は妻を殺していません」と訴えていました。

朴被告は、佳菜子さんは産後うつで自殺したとして無罪を主張しましたが、1審、2審ともに懲役11年の実刑判決が出て、上告していました。

勾留されて約6年。最高裁の判決を前に朴被告は、日本テレビの取材に対し、手紙で心境を明かしました。「無罪判決を信じています」「6年間、子どもたちを抱きしめることだけを願ってきました」と思いをつづりました。

■裁判の争点は「自殺」か「他殺」か
21日に下された最高裁の判決。裁判長は「原判決を破棄する。本件を東京高等裁判所に差し戻す」と述べました。2審判決を取り消して「差し戻し」、つまり東京高裁で審理をやり直すよう命じました。

この裁判で争点となっているのが、佳菜子さんは自殺か他殺か。

自殺を主張する弁護側によると、事件当日、朴被告が帰宅した後に包丁を持った佳菜子さんともみ合いになりました。寝室にあったマットレスに佳菜子さんを押さえつけた後、朴被告は子ども部屋に閉じこもりました。

しばらくして部屋から出ると、佳菜子さんは階段の手すりに巻き付けられたジャケットに首を通し、自殺を図っていたと主張しています。

■最高裁、「血痕」と自殺の関係に言及
一方、他殺を主張する検察側は、朴被告が突発的に殺意を抱き、寝室のマットレスで佳菜子さんの首を圧迫して窒息させた上で、階段から落下させるなどして事故を装い、その際に額に傷を負わせたとしていました。

ポイントとなったのは、この「額の傷」です。2審は、この傷によって血が流れたりぬぐったりした痕跡が顔にないことから、傷を負った後に自ら首をつったという弁護側の主張は不自然だとしていました。

■元検事「検察側には厳しい指摘」
21日の最高裁では、佳菜子さんの顔に血の跡があったかどうかと、自殺との関係について「2審で審理が尽くされたとは言いがたい」などと指摘。裁判長は「審理を十分に尽くさなかった結果、重大な事実誤認をしたと疑うに足りる顕著な事由がある」と述べました。

この判決について、刑事事件に詳しい元大阪地検検事の亀井正貴弁護士は「顔の面前に血痕が付着しているかどうかについて、黒白決めないと有罪か無罪かは判断できないと指摘しました。検察側にとっては厳しい指摘にはなっていると思います」と話しました。

「(高裁で無罪の可能性は)もちろんあります。最高裁が指摘した論点について黒になるか白になるか、その結論の違いによって、有罪になったり無罪になったりしますね」

■被告の母「孫たちが待っています」
判決後、会見した朴被告の弁護士は「まず、原判決が破棄されたことでほっとしております。疑わしきは被告の利益にと、大原則に従ってきちんと審理をしてほしいなと思います」と述べました。

朴被告の母親は「無罪で帰ってくるのを信じてます。1日も早く戻ってくるのを孫たちが待っていますので」と願いました。

検察側は「判決内容をよく検討し、的確な主張・立証に備えたい」としています。
(2022年11月21日放送「news zero」より)

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