妻殺害の罪 講談社元社員裁判 双方の主張は？ 最高裁、審理のやり直し命じる｜TBS NEWS DIG
妻を殺害した罪に問われている講談社元社員に対し、最高裁判所は二審の懲役11年の判決を取り消して、東京高裁に審理のやり直しを命じました。
最高裁
「本件を東京高等裁判所に差し戻す」
最高裁が言い渡した判決は審理のやり直しでした。
講談社で「聲の形」など、人気マンガを手がけた朴鐘顕被告（47）。妻の佳菜子さん（当時38）と、4人の子どもと都内の一軒家で暮らしていました。事件が起きたのは2016年8月の深夜。
弁護側によると、朴被告が帰宅した際、佳菜子さんは2階のリビングで包丁を握りしめ、こう話したといいます。
「子どもを殺して私も死ぬ」
佳菜子さんは生後10か月の末っ子が眠る1階の寝室に向かい、そこで2人はもみ合いになりました。
検察側は朴被告が佳菜子さんの首を絞めて殺害し、2階の階段から突き落としたと主張。一方、弁護側は朴被告が末っ子を抱え、2階の部屋に逃げ、部屋から出た時には、佳菜子さんが階段で首をつっていたと主張しています。
一審と二審はともに懲役11年の判決を言い渡しましたが、朴被告側は「妻は産後うつで自殺した」と一貫して無罪を主張し、上告していました。最高裁が双方の主張を聞く弁論を開いたことから、有罪判決が見直されるか注目されていました。そしてきょう。
最高裁
「審理を尽くされたとは言いがたい」
最高裁が疑問視したのは、高裁が「額に傷を負った佳菜子さんがその後自殺しようとした場合、痛みなどから傷に手を当て、血液をぬぐうはずだ」として、その痕跡がないことを理由に自殺の主張を退けた点です。最高裁はこの想定や、血痕の有無の審理が不十分と指摘したのです。
これまで、面会や手紙のやり取りで取材に応じた朴被告。先週金曜日、改めて無罪を主張しました。
朴鐘顕被告
「妻を殺害などしていません。していないし、ありえません。無罪判決を信じています」
一方で、“後悔”と“子どもたちへの思い”を口にしました。
朴鐘顕被告
「妻を自殺させ、守れなかったのは最低のことで、夫失格だと思います。家に帰ることができたら、子どもたちの話を何時間でも何日でも聞きたい」
判決後、朴被告の母親は。
朴被告の母親
「無罪で帰ってくるのを信じています。一日も早く戻ってくるのを孫達が待っています」
事件から6年、裁判はさらに続くことになります。
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