なぜ?震源から遠くで強い揺れ…“異常震域”のメカニズム(2022年11月19日)
日本列島で相次ぐ地震。
今ある現象が注目されています。
視聴者)
「地震だ!地震… 地震… 」
今月11月14日、午後5時すぎ 茨城県と福島県でやや強い『震度4』の揺れを観測。
同じ地域では、今月9日にも『最大震度5強』を観測する地震が起きていました。しかし、14日の地震は、全く違うメカニズムだったことが新たにわかりました。
それは、震源地から離れた場所が強く揺れる…【異常震域】 震源地は関東ではなく、500キロも離れた三重県南東沖。なぜ、こうした現象が起きたのでしょうか―?
愛媛大学 地球深部ダイナミクス研究センター 大内智博准教授
「こんにちは、よろしくお願いします。」
大内准教授は、“異常震域”を伴う地震の原因解明につながる実験に成功。
先日イギリスの科学誌に論文を発表しました。
Q.なぜ離れた場所で強い揺れが起きた?
愛媛大学 地球深部ダイナミクス研究センター 大内智博准教授
「今回の地震は“深発地震”“深発地震”とは300キロより深い所で発生した地震になります。」
従来の海底地震は、日本列島の下に沈み込んだ海洋プレートが、陸側プレートを押し上げる事で起こります。一方“深発地震”は、海洋プレートの内部で起こる現象。海洋プレートは硬い岩盤でできているため、より遠くまで強い揺れが伝わるのだといいます。
では、プレートの内部では、何が起きているのでしょうか?
愛媛大学 地球深部ダイナミクス研究センター 大内智博准教授
「こちらが実験前のカンラン石の試料になります」
プレート内部には、「カンラン石」と呼ばれる鉱物があり、本来は安定した状態を保っています。
ディレクター
「ではカンラン石を叩いてみます。非常に頑丈ですね」
この石をプレートの内部が再現できる装置に組み込みます
愛媛大学 地球深部ダイナミクス研究センター 大内智博准教授
「今は深発地震が起きているような温度と圧力の環境が再現されている状況」
しかし、長期間に渡り、高い圧力がかかると高温となり「カンラン石」が溶けだします。
愛媛大学 地球深部ダイナミクス研究センター 大内智博准教授
「(カンラン石の)割れが続いて地震が続いている状態になっています」
結果、断層がズレてすべり、“深発地震”を引き起こしているのだといいます。
愛媛大学 地球深部ダイナミクス研究センター 大内智博准教授
「深発地震の地震波というものはプレートを伝わっていきやすいという性質がありますから太平洋側というものがとくにどうしても揺れやすくなってしまうという風に事前予測はたてることは可能です。」
では“深発地震”が、『首都直下地震』などの大規模地震を引き起こす可能性はないのでしょうか―?
愛媛大学 地球深部ダイナミクス研究センター 大内智博准教授
「南海トラフ地震あるいは首都直下地震のような地震というのはいずれも浅いところで起きると思われる地震ですので深発地震は一方で深いところで起きる地震ですので影響はほぼないという風に思われます。今後私どもの行っているような室内実験を繰り返していくことによって地震発生の過程がどんどん明らかになってくるものと思われます。」
サタデーステーション11月19日配信
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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