都が診療時間の延長要請も…現場は「物理的に無理」 発熱外来“ひっ迫”(2022年11月19日)

都が診療時間の延長要請も…現場は「物理的に無理」 発熱外来“ひっ迫”(2022年11月19日)

都が診療時間の延長要請も…現場は「物理的に無理」 発熱外来“ひっ迫”(2022年11月19日)

新型コロナウイルスの第8波で、すでに発熱外来の中には、危機的な状況に陥っているところもあります。なぜ同じ事が繰り返されるのか、取材しました。

■救急受け入れ困難に「毎回同じこと繰り返してる」

都内にある大学病院。まだ第8波の入り口ながら、コロナ病床は満床です。

昭和大学病院 相良博典病院長:「今もしさらに多くの患者さんが来た場合にはお断りするのかなと思います」

東京都では19日、新たに9457人の感染が確認されました。発熱がある救急患者の受け入れが難しい状態で、受け入れるためにはコロナ病床を拡大する必要があります。

相良博典病院長:「他の病床を減らすっていうことですので、一般の入院する患者さん方にある程度制限をかけなければいけないということなります。毎回同じことを繰り返してる状態。高齢者を特化して受け入れるような医療施設を臨時的に開設していくことは必要じゃないかなと思う」

■東京都が発熱外来に「診療時間延長」を要請

発熱外来を行うクリニックも、すでに危機的な状況です。

いとう王子神谷内科外科クリニック 伊藤博道院長:「のどの炎症をやわらげるトラネキサム酸や解熱鎮痛のアセトアミノフェン、こういったところはもう出荷停止がかかっていて、咳止めもタン切りの薬も在庫が入らないという八方塞がり状態」

しかし、その間にも発熱患者は続々とやってきます。発熱外来“以外”にも、膨大な時間がとられます。

伊藤博道院長:「ワクチン接種の大量の予約が入っていて、それで普通の診療と発熱外来これを朝の8時台から準備をして夜みんなが帰るのが午後9時半をすぎて、午後10時を過ぎるぎりぎり前くらいに帰ってるのが現状です。このタイミングはある意味我々にとって試練」

こうした中、東京都はおよそ4800の発熱外来に、診療時間の拡大などを要請し、さらに、小児科にも発熱診療体制強化を求めます。

小池都知事:「今がまさに踏ん張りどころなんです。最大で8万7千人が発熱外来を受診することを想定して体制を整備いたします」(18日の会見)

伊藤博道院長:「もう十二分に頑張ってるという中ですので、これ以上頑張りようがないというか、物理的に無理というところまで来ています。『もう少し頑張れば、もう少しましな生活が待ってる』と信じてやってもう2年半でしょうかね。すべての医療機関が発熱疾患を診るという転換をする時期にもうなってるんではないかと。その裾野を増やすのと同時に臨時に大規模な発熱外来治療センターをつくってほしいと思うんです」

■シンガポールでは発熱外来パンク起きず

一方、発熱外来のパンクとは無縁な国がありました。シンガポールです。その理由を、現地の日本人医師に聞いてみると…

日本メディカルケア 佐藤健一医師:「シンガポールと日本で違うのは、PCR検査メインで日本は動いている。PCR検査をするためには結局、医療機関に行かなければならなくなる」

シンガポールでは、発熱したら病院でPCR検査、ではなく、まずは自身で抗原検査を行うことを徹底していると言います。しかも、抗原検査キットは、1回分あたり300円ほどで市販されていて、2000円前後する日本とも対照的です。

佐藤健一医師:「安さがあるので、とにかくART(抗原検査)をやって、自身が陽性かの判断をつけやすい。かなり医療機関としては楽になるのかなと」

サタデーステーション 11月19日OA
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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