北朝鮮の“核兵器”搭載可能なミサイル 日本は迎撃できる?(2022年11月19日)

北朝鮮の“核兵器”搭載可能なミサイル 日本は迎撃できる?(2022年11月19日)

北朝鮮の“核兵器”搭載可能なミサイル 日本は迎撃できる?(2022年11月19日)

北朝鮮の“核兵器”搭載可能なミサイル 日本は迎撃できる?

【本文】
18日、北朝鮮が開発しているICMB・火星17号の発射実験が行われ、その発射映像と共に金正恩総書記の娘が発射実験を視察する写真が公開されました。その意図はどこにあるのか、そして発射実験の成功の先に北朝鮮は何を目指すのか。防衛省・防衛研究所の高橋杉雄さんにうかがいます。

■公開された娘の画像 発射実験動画から読み取れること
高島)
高橋さんは、娘の写真を初公開した狙いをどう見ていますか?

高橋氏)
そびえたっているミサイルの前に親子がいる写真が象徴的なんですが、北朝鮮、あるいは金一族の次の世代を守り抜くのだというようなことを伝えているように私には見えますが、同時に言えば「非核化のつもりはない」という意図も伝わってくるような写真ですね。

高島)
同時に、二人が強く手を握っているシーンというのは何か意味がありますか?

高橋氏)
それは良き父親であるということを事をアピールしていると感じます。

高島)
映像も公開されましたが、気になったシーンは?

高橋氏)
今回、火星17号は大型トレーラーによって運ばれたんですが、この大型トレーラーはオフロードを走れない。一方で、平らな舗装道路であればどこにでも行けて、どこからでも発射ができるということです。例えば、アメリカあるいは米韓同盟が発射前に攻撃しようとした場合、その場所を特定し攻撃するの非常に難しいということが言えます。

■なぜ北朝鮮は火星17号が必要なのか?
板倉)
北朝鮮はICBM大陸間弾道ミサイル「火星17」を平壌空港の辺りから発射したと伝えています。最高高度は6040キロにおよび、飛行距離は999キロ、落下地点は日本の排他的経済水域の内側だということです。今回の実験の目的を、高橋さんはどうご覧になっていますか?

高橋氏)
北朝鮮には、アメリカに届くミサイルとして「火星15」と「火星17」の2つあるんですが、「火星17」は「火星15」より大きく、これまで成功したことがなく成功させるための色々な試行錯誤をしていると言えます。次の問題は、なぜ「火星15」があるのに「火星17」という新しいミサイルが必要なのか。理由の1つが、北朝鮮が実際にアメリカを攻撃する場合、アラスカ上空を通るんです。アラスカのフォート・グリーリという基地にアメリカは米本土防衛用のミサイル防衛システムを配備しています。普通に撃っただけではこのアメリカの防衛システムにつかまるんです。射程に余裕があるミサイルを作る、「ロフテッド軌道」みたいな迎撃しにくいような飛び方をすることで、アメリカを確実に攻撃できるというのが1つ。もう1つの理由は命中精度が低いと予想されるので、複数の核弾頭を積んで広い範囲をできるだけ攻撃できるようにするというのが考えられます。

■万が一の時 日本は迎撃できる?
高島)
日本を狙わなくても、失敗した場合に日本に落ちてくる可能性がありますが、迎撃できるのでしょうか?
高橋氏)
日本上空を飛ぶとすれば、北太平洋上空を目指してテストをした場合だと思うんですが、そのテストが失敗した場合ということが考えられます。その場合、日本海に24時間体制でイージス艦を配備しています。いくつかの場所にはPAC3も配備されています。イージス艦とPAC3で迎撃をすることになる。イージス艦は2回2発のミサイルを撃ち、PAC3も状況によっては2発撃ち、全体で4回迎撃チャンスがあります。

高島)
となると迎撃の可能性としては何%くらい?

高橋氏)
もちろん正確な比率は軍事機密ですが、一般論として兵器の成功率というのは大体7割だと言われています。成功率が7割だとすると、4回迎撃のチャンスがあれば全部掛け合わせると成功率は99%になるので、1発ぐらいの事故であれば十分対処できるというふうに考えていいと思いますね。

高島)
気になるのが核弾頭を撃ち落とした場合なんですけど、放射能などは平気なんでしょうか。

高橋氏)
核弾頭というのは非常に精密機械なんですよ。ですから少しでも破片が当たれば、核爆発はしないので。そうなるとバラバラになって飛び散って核爆発は起こらないですし、非常に高いところで飛び散る分には放射性物質の被害は起こらないので、それほど心配する必要はないですよね。

柳澤)
撃たせないようにすることも大切だと思うんですよね。そのためには日米韓の連携を強化するっていう考え方もあると思うんですけれども、アメリカはいま北朝鮮とどう向き合おうとしているかと気になるんですよね。

高橋)
一義的には抑止力の強化ですね。もう1つはアメリカは2005年9月に六者協議で結んだ非核化合意がまだ生きているという立場ですから、その非核化合意を実行させるための外交的圧力をかけていくということになるんだと思います。

サタデーステーション 11月19日OA
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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