旧統一教会の“養子あっせん”「子どもの人権無視」悲痛告発(2022年11月17日)

旧統一教会の“養子あっせん”「子どもの人権無視」悲痛告発(2022年11月17日)

旧統一教会の“養子あっせん”「子どもの人権無視」悲痛告発(2022年11月17日)

 元2世信者の小川さゆりさんらが告発した旧統一教会の信者間で行われている養子縁組。厚生労働省による教団への実態調査が今週中にも行われる予定ですが、この問題で最も問われているのは子どもの人権です。

 元2世信者・小川さゆりさん(仮名):「私は養子に出された当事者ではないんですが、1つ下の次女が養子に出されたんですが、5番目の子も養子に出され、また次に生まれた6番目の子も養子に出されました」

 16日に国会内で開かれたヒアリングで6人兄弟のうち3人が養子に出された経験があると明かした小川さん。訴えた問題は「教義のために養子縁組が行われている」実態です。

 元2世信者の佐藤海さんも…。

 元2世信者・佐藤海さん(仮名):「旧統一教会では、家庭は子どもがいて初めて完成するという教えがあり、複数人の子どもがいる家が新たに妊娠した場合、子どもに恵まれない信者家庭へ養子に出すことを推奨されることがあります。初めから子どもを養子に出す前提で妊娠する人もいると聞いたことがあります」

 1981年から、これまでに745人の養子縁組が行われたことを認めている旧統一教会。

 信者向けに発行したハンドブックには、こう書かれています。

 信者向けのハンドブック:「養子の約束を交わすのは捧げる側の妊娠前が最も望ましい。子どもに恵まれない家庭のために養子を捧げるということは神様の愛を中心とした家庭理想をともに実現するという意味で、統一教会の美しい伝統となっています」

 法律では、養子縁組のあっせんは児童の福祉の増進を目的として許可を得た事業者のみが行えると定められています。

 旧統一教会はこの許可を得ていませんが、こうコメントしています。

 旧統一教会:「当法人で行われている養子縁組制度は民間あっせん機関による養子縁組とは性質を異にするものであり、養子縁組を取り持つ教会が金銭的報酬を受け取ることは一切ありません。以上の理由から、民間あっせん機関等の認可は受けておりません。本部としては20年くらい前まで養子縁組の橋渡しをしていたようだが、それ以降は関わっていない」

 松野博一官房長官:「どのような組織であっても都道府県知事等の許可を受けずに養子縁組のあっせんを一定の目的を持って反復継続的に行うのであれば、養子縁組あっせん法に違反するものと認識しています」

 厚生労働省は今週中にも調査に乗り出す方針ですが、今回の養子縁組で問題なのは違法か合法かだけではありません。

 元2世信者・佐藤海さん(仮名):「子ども本人の人生がかかっていることを軽く捉え、多くの人が信者間で養子に出すことを良いことだと認識している」

 元2世信者・小川さゆりさん(仮名):「子どもの人権が無視されている重大な問題」

 それは子どもの人権に対する問題です。

 旧統一教会の信者間での養子縁組。最大の問題を被害者の救済に取り組む弁護士は、こう指摘します。

 全国霊感商法対策弁護士連絡会・阿部克臣弁護士:「最大の問題は、やはり子どもの福祉の観点が欠落している。子どもの人権が全く考えられていない、無視されているところが非常に問題だと。まずその信仰ありき、神ありきで子どもの人権、子どもの福祉が第一にない」

 旧統一教会を巡っては、調査を行う文化庁が「質問権」を行使する予定ですが、政府は質問内容を審議する「宗教法人審議会」を21日に開く方向で調整していると明らかにしました。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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