「子どもの人権関係ない」元2世信者が語る“養子縁組”の実態 法律違反の可能性も(2022年11月16日)

「子どもの人権関係ない」元2世信者が語る“養子縁組”の実態 法律違反の可能性も(2022年11月16日)

「子どもの人権関係ない」元2世信者が語る“養子縁組”の実態 法律違反の可能性も(2022年11月16日)

国会内で16日夕方、旧統一教会の元2世信者へのヒアリングが行われました。

教団からの被害を訴え続けてきた小川さゆりさん。自身のきょうだい3人が養子に出された経験を明かしました。
元2世信者・小川さゆりさん(仮名):「1つ下の次女が養子に出されたんですが、5番目の子も養子に出され、次に生まれた6番目の子も養子に出されました。養子に出すと知ったときは、すごくショックでした。ここに子どもの気持ちというもの、妹たちの気持ちが一切関係なく、すべての教会と信者である親たちの事情だけがまかり通っていて、子どもの人権がすごく無視されている重大な問題だなと思っています」

元2世信者・佐藤海さんは、養子となることが生まれる前から決められていた子どももいるのではないかと話します。
元2世信者・佐藤海さん(仮名):「少なくとも私が子どものころは、避妊が基本的に禁止されていました。そういったことも関係してくると思いますが、初めから子どもを養子に出す前提で妊娠する人もいると聞いたことがあります」

教団が信者向けに発行したハンドブックには、こう記されています。
旧統一教会のハンドブック:「養子の約束を交わすのは、捧げる側の妊娠前が最も望ましい」「子どもに恵まれない家庭のために養子を捧げるということは、神様の愛を中心とした家庭理想を共に実現するという意味で、統一教会の美しい伝統となっています」

元2世信者・佐藤海さん(仮名):「教義を重要視するあまり、子ども本人の人生がかかっていることを軽く捉え、多くの人が信者間で養子に出すことを良いことだと認識している教団の風土に疑問を感じます」

旧統一教会の信者間での養子縁組。被害者の救済に取り組む弁護士が指摘するのは、法律に違反する可能性です。
全国霊感商法対策弁護士連絡会・阿部克臣弁護士:「統一教会の組織的な仲介のような行為が存在することで、これが反復継続して行われていれば、業として行われているものとして、養子縁組あっせん事業法違反になる可能性もある」

法律では、養子縁組のあっせんは、児童の福祉の増進を目的として、許可を得た事業者のみが行えると定められています。旧統一教会は、この許可を得ていません。

教団が8年前に発行した信者向けのハンドブックには、組織内でルールを設けて、管理を行っていたようにみえる記述もあります。

旧統一教会のハンドブック:「両家で合意がなされたら、必ず、家庭教育局に報告が必要。協会長に承認をしていただきます」

旧統一教会は、1981年からこれまでに745人の養子縁組が行われたと認めた一方で、こうコメントしています。
旧統一教会:「養子縁組は養子となる2世の幸せを願って進められるものであり、『親の信仰のための養子』といったご指摘は事実に反します。教会が金銭的報酬を受け取ることは一切ありません。本部としては、20年くらい前まで養子縁組の橋渡しをしていたようだが、それ以降は、本部は関わっていません」

松野博一官房長官:「どのような組織であっても、都道府県知事等の許可を受けずに養子縁組あっせんを一定の目的を持って反復継続的に行うのであれば、養子縁組あっせん法に違反するものと認識している」

厚生労働省は、今週中にも教団側に実態を尋ねる方向で調整しています。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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