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「1つの方針にして」人流抑制?人数制限?戸惑いの声広がる(2022年1月20日)
20日、全国で28の都道府県で過去最多の感染者が確認されました。東京都の感染者は8638人。2日続けて、過去最多を更新です。
都のモニタリング会議は、感染状況の警戒レベルを3週連続で引き上げ、去年9月以来となる『最も深刻なレベル』としました。
国立国際医療研究センター・大曲医師:「就業制限を受けるものが、多数発生するため、社会活動の停止が余儀なくされる可能性がある」
大阪府は、まん延防止等重点措置を政府に要請する基準としていた病床使用率35%を超えました。要請は兵庫、京都とともに関西3府県で足並みを揃える形となります。
19日の政府分科会の尾身会長による「人流抑制ではなく人数制限」という発言をめぐり、戸惑いが広がっています。
明治安田生命は、テレワークへの転換に力を注いできました。
明治安田生命・渡辺俊哉企画部長:「業務維持、業務の継続と安全管理をどうバランスを取っていくか考えるべき。テレワークには、テレワークの良さがある。前に全部戻すのではなく、事業に活かしていくかと」
旅行会社は板挟みの状態に頭を悩ませていました。尾身会長の発言に加えて、いま気がかりなのが、小池知事の「不要不急の外出自粛を強くお願いする。不要不急の都県境を越える移動は自粛をお願いする」という発言です。「外出自粛は必要ない」とする尾身会長の発言と真逆の内容に聞こえます。
アドベンチャー・伊澤百合子さん:「お客さまの立場に立ってみると、そういう情報に左右されてしまったり、いま、旅行に行って大丈夫かなと思う方も多いと思うので、一つに方針をしていただけると、こちらからも案内もしやすいし、お客さまにとっても、より旅行しやすい状況になるかなと」
東京都では21日から、またも飲食店への時短要請が始まります。
渋谷のんべい横丁・まぐろ処の高橋範男店主:「納得できない。意見が食い違っているのに、時短要請を実行するのが、僕には納得いかない。入ってくる情報が違うのが不安。どっちの言うことを聞けば良いのか」
尾身会長が強調した「人数制限」の重要性についても、戸惑いを隠せません。
渋谷のんべい横丁・まぐろ処の高橋範男店主:「よくわからないのが4人と6人と8人の何が違うのか。8時と9時と10時の何が違うのか。何を基準に決めているのか全くわらかない。人数を減らせれば12時までやっても良いという意味ですよね。尾身会長が言われているのは」
東京都に、尾身会長の発言について聞きました。
社会健康医学研究センター・西田淳志センター長:「(Q.“人流抑制”と“人数制限”が二律背反するものと思えないが)私もそこは話を矛盾しないと思う。メリハリをつけてという話の文脈で、一般的な人流抑制よりも、よりリスクの高いところに焦点を絞るという主旨だったと理解している」
ただ、政府の基本的対処方針には「感染状況に応じて、人流や人との接触機会を削減することが重要」とあり、「人流抑制ではなく」とする尾身会長の発言とは、ズレがあるように見えます。
発言の真意は、どこにあったのでしょうか。尾身会長とともに政府分科会の委員を務める舘田教授に聞きました。
政府分科会・舘田一博教授:「人流を抑制するのではなくて、接触を抑制するという視点から『人数を制限するんだ』という発言。これは多くの専門家、(分科会の)参加者が共有している認識」
専門家として伝えたかったのは、重症化リスクが低いとされるオミクロン株の特徴を踏まえたうえでの“方針転換”だと説明します。
政府分科会・舘田一博教授:「『今まで通り人流を減らしてください』『不要不急の外出を控えて』と言って、どれだけの人が聞いてくれますか。多くの感染者が軽症で済むオミクロン株になって、リスクの高いところにしっかりと焦点を当てて、個人の制限は最小限、効果は最大限にするという目的。社会経済への副作用はできるだけ小さくする。そういう狙いのもとに、今回の尾身先生の発言に至ったと理解している」
コロナ対策の根幹にかかわる問題でありながら、政府ではなく、専門家が示す形になったことについては、こう述べました。
政府分科会・舘田一博教授:「それを伝えていくのが政府の役目だけど、そういう意味で尾身会長が伝えようとしてくれたけど、ちょっとわかりにくくなってしまったのは事実かもしれない」
舘田教授は、今後、政府の基本的対処方針を書き換えていかなければならないと指摘しています。
岸田総理は国会で、こう述べました。
岸田総理:「専門家の意見をうかがいながら、過度に恐れることなく、最新の科学的知見に基づく対応を冷静に進める覚悟。また、一度決めた方針でも、より良い方法があるのであるならば、躊躇(ちゅうちょ)なく改め、柔軟に対応を進化させる」
ただし、具体的にどう進化させるのか言及はありませんでした。
各党からは、今の対策への疑問が相次ぎました。
日本維新の会・馬場共同代表:「このままでは自粛疲れの国民や、場当たり的な施策で影響を受ける事業者などの理解・協力を得ることも難しくなる」
岸田総理:「すべてを見通したうえで判断を行えるわけではないが、専門家の意見をうかがいながら、過度に恐れることなく、最新の知見に基づく対応を冷静に進めていく」
公明党・石井幹事長:「オミクロン株の特性を踏まえた対応の見直しを早急に検討いただきたい」
岸田総理;「引き続き、科学的知見の集約を急ぎ、実効性ある対応を検討する」
国民民主党・玉木代表:「病床確保に関する国や知事の権限を強化する感染症法の改正こそこの国会でやるべき。なぜ最も大切な法改正を先送りするのか」
岸田総理:「現下の危機に対応しつつ、これまでの対応を客観的に検証し、広く関係者との協力のうえで検討するためには、一定の期間が必要であると考えている」
国民民主党・玉木代表:「公共交通機関の利用そのものが感染拡大につながったという科学的な証拠はあるのか。今のままでは地域のバス路線などは持たない」
岸田総理:「公共交通機関の利用を含め、集団感染が起こりうると認識、承知をしている。こうした観点から各業界の業種別ガイドラインを順守していただくことが重要」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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