「我が子を忘れること起こり得る」ルーティンは要注意 相次ぐ子どもの車内置き去り(2022年11月14日)

「我が子を忘れること起こり得る」ルーティンは要注意 相次ぐ子どもの車内置き去り(2022年11月14日)

「我が子を忘れること起こり得る」ルーティンは要注意 相次ぐ子どもの車内置き去り(2022年11月14日)

 保育所に預けられるはずの2歳の女の子が父親の車に取り残され、熱中症で亡くなりました。14日に市側が会見し、「保育所が確認を怠った」と謝罪しました。

 岸和田市子育て施設課・溝端多賀子課長:「連絡のない休まれている子どもについては、園から緊急時の連絡先の番号に連絡させて頂くことになっていた。結果としてできておりませんでした」

 一方、父親は「預けたと思い込んでいた」と話しているといいます。

 12日、大阪府岸和田市で2歳の女の子が車の中に置き去りにされ、死亡しました。その詳細が徐々に明らかになってきました。

 12日朝、母親は仕事に。父親は三姉妹を車に乗せ、保育所に向かいました。午前8時、4歳の姉と1歳の妹を保育所に預けると、その後、次女を別の保育所に預けるはずでした。しかし、それを忘れてしまったというのです。次女を車に乗せたまま帰宅。父親は車を降り、その後テレワークをしていたといいます。そして、およそ9時間後の午後5時すぎ、父親は次女が車に乗っていることに気付かずに保育所に迎えに行きます。すると…。

 保育所:「きょうは来ていない」

 発見された時、次女は後部座席のチャイルドシートでぐったりしていたといいます。「次女が車内で呼吸をしていない」と消防に通報、病院に搬送されましたが、死亡が確認されました。

 父親:「保育園に預けたと思い込んでいた」

 12日の大坂府内の最高気温は各地で20℃を超えていました。死因は熱中症でした。

 子どもの事故予防に取り組むセーフキッズジャパンの山中理事長はこう話します。

 小児科医・セーフキッズジャパン、山中龍宏理事長:「外気温30℃くらいでも車内のダッシュボードは70℃とかそれくらいになるので、今回、外気温が20℃だったから車内温度がかなり上がったと思う。水分の補給もなく暑い環境になれば、当然、熱中症になる可能性もあったと思う」

 子どもを車に置き去りにして死亡する事故は相次いでいます。

 今年5月には新潟市で、父親が朝に1歳5カ月の息子を車に乗せていることを忘れて会社に出社し、およそ3時間放置。息子が死亡する事故が起きています。

 また、おととし、茨城県つくば市でも父親が車で長女を小学校に送った後、次女を保育所に送るのを忘れて自宅に戻り、次女を車内に残したままテレワークをした後、およそ7時間後に気付きましたが、死亡が確認されました。

 父親は警察に「仕事のことを考えていた」と話したといいます。

 なぜ、こうしたことが起きてしまったのでしょうか。

 関西大学、社会安全学部・中村隆宏教授:「我が子のことを忘れるなんて信じがたいという指摘もあるんですが、人間はそれだけ重要なことでも忘れるということは起こり得ます」

 まさか自分がという車中への子どもの置き去り。しかし、誰にでも起こり得るというのです。

 「預けたと思い込んでいた」という父親。なぜ、車への子どもの置き去りは後を絶たないのでしょうか。

 関西大学、社会安全学部・中村隆宏教授:「全く初めてやることとか自分も興味関心が高いものは一つひとつ動作を意識しながら行うので記憶に残りやすいが、ルーティンとしての何げない行為は逆に一つひとつの動作を意識してると人間側もしんどくなるから、どんどん自動的な制御の方に移り変わっていく。例えば朝、玄関を出た時、“鍵を閉めたか思い出せない”。日々、同じようなことを繰り返しているので、今回のように“保育所に送るはずだった”ということがどこかで抜けてしまった。毎日同じことを繰り返していても人間はそれだけ重要なことでも忘れることは起こり得る」

 では、どうすれば良いのでしょうか。

 スマートフォンや財布など、普段から手にしているものをチャイルドシートの傍らに置くのも対策になるといいます。

 小児科医・セーフキッズジャパン、山中龍宏理事長:「ヨーロッパの車の安全基準も、車中への置き去りをキャッチするようなセンサーを安全基準の一つとして来年くらいから設けるそうです。我が国も園バスへのセンサー設置がつい最近、義務付けられた。同じ対応を自家用車についても考える時だと思う」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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