海がないモンゴルで史上初となる「魚の養殖」|TBS NEWS DIG
海の無い国、モンゴルで史上初となる「魚の養殖」に岡山県の岡山理科大学のチームが取り組んでいます。世界中どこにいても新鮮な魚を…。深刻な食料危機への対策として期待される研究です。
広大なゴビ砂漠が広がる海のない国、モンゴル。市場には食生活の中心にある「肉」が並びます。
この国で、史上初となる魚の養殖が始まっています。これが、その魚。ハタ科の「海水魚」です。
岡山理科大学工学部 山本俊政 准教授
「良く育ったな。これ、日本から来たんだから、日本から」
モンゴルの首都、ウランバートル。プロジェクトは3年前の2019年に始まりました。
水槽に満たされているのは陸上での「海水魚」の養殖を可能にする特殊な水です。岡山理科大学のチームが2005年に技術を確立しました。真水に微量のナトリウムやカリウムなどを混ぜた淡水魚と海水魚が共存できる「好適環境水」です。
岡山理科大学工学部 山本俊政 准教授(2006年)
「海の無いところで場所を選ばずに水さえあればできる」
この水で海の魚を中心に10種類以上を陸上で育て、世に送り出しました。
肉が安く手に入るモンゴルで魚を普及させるには、さらに高い生産性が必要です。選んだのは2種類のハタ科の魚を掛け合わせた交雑ハタ。
モンゴルと関わりが深い静岡県の企業「KITAGAWA」との共同研究として始動しました。研究は世界が直面する食糧危機の解決を視野に入れています。
岡山理科大学工学部 山本俊政 准教授
「天然の資源は先細りしているのは間違いない。そういう中で人口は70億から100億にも達する。このようにモンゴルでも生産ができるというのは、これからの大きな強みになる」
コロナ禍に見舞われながらも現地スタッフと連携し、3年間育てたハタ。今年9月、水槽には巨体がひしめきあっていました。平均4.5キロ、大きいものは9キロにも及びます。
9月4日、モンゴルの官僚などが出席してのお披露目会が開かれました。慌ただしく準備が進む厨房。主役のハタがステーキなどに調理されていきます。モンゴルでお目にかかることは珍しい新鮮な魚を使った料理。現地の人は…
出席者
「とてもおいしい、すばらしい」
食文化に新たな風を吹き込む挑戦。
KITAGAWA 北川雅弘 社長
「来年・再来年には、レストランにハタが並ぶようなときが来ればいいなと」
岡山理科大学工学部 山本俊政 准教授
「これから社会実装して、ちょっとでも皆さんに魚を食べていただけたら研究者としては最高ですね」
海のない国、モンゴル。さらには世界中で新鮮でおいしい魚を。食糧危機の解決の一助にと研究は続けられます。
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