「次の大統領選でさらに混迷」イアン・ブレマー氏が語るトランプ・リスク【報ステ】(2022年11月9日)

「次の大統領選でさらに混迷」イアン・ブレマー氏が語るトランプ・リスク【報ステ】(2022年11月9日)

「次の大統領選でさらに混迷」イアン・ブレマー氏が語るトランプ・リスク【報ステ】(2022年11月9日)

アメリカの国際政治学者、イアン・ブレマー氏。リーダー不在といわれる世界情勢や、新たな冷戦勃発のリスクに警鐘を鳴らしています。これまでも、世界各国の政府首脳に提言を行ってきました。ブレマー氏は、今年1月の時点から、中間選挙後のアメリカ国内政治が不安定化を指摘していました。大越キャスターが聞きます。

大越キャスター:大統領選挙に向けて、アメリカの政治と社会はどう変化しますか。
イアン・ブレマー氏:中間選挙が終われば、大統領選挙期間となります。政治的対立と分断が深まり、世論は二分され、アメリカは大きなダメージを受けます。結果、国際問題への意識は薄れるでしょう

大越キャスター:トランプ氏は、アメリカにどのような変化をもたらしますか。
イアン・ブレマー氏:トランプ氏が再選に向けて動くことは想定していました。トランプ氏が大統領選候補に指名される保証はありません。共和党候補になる可能性は80%から60%に下がったと思います。彼が指名されても、本選で僅差で負けることがあれば、合衆国憲法は危機を迎えるかもしれません。去年1月6日、トランプ氏は選挙結果を覆そうとし、失敗しました。

去年1月6日、アメリカにとって歴史的な“汚点”となった議事堂襲撃事件。トランプ氏の支持者が、大統領選の結果に納得がいかず起こした事件でした。

イアン・ブレマー氏:2024年には多くの共和党員(州知事など)が、トランプ氏が選挙結果を覆そうとするのを助けるでしょう。2024年には大勢の選挙否定派が権力ある地位に就いているからです。2020年は憲法が危機的状況になる可能性はゼロでした。2024年は、5~15%と可能性は低いですが、リスクは存在します。このことはアメリカだけではなく、日本含む世界に深刻な影響を与えるでしょう。

大越キャスター:ウクライナ問題について、中間選挙で一部の候補者が『高額なウクライナ支援は継続できない』と。あなたはどう思いますか。
イアン・ブレマー氏:それは大げさだと思います。アメリカは、2023年も軍事面で圧倒的規模のウクライナ支援を続けます。新しい議会が始まる前に、今の議会で2023年予算を承認できます。新しい議会もウクライナを支援するでしょう。ですから、政策はそんなに変わりませんが、変わるとしたら“対中政策”です。共和党主導の下院は、中国にもっと強硬な姿勢を取る。台湾の訪問を増やし、中国のサプライチェーンや資本投資の規制はずっと厳しくなる。

大越キャスター:アメリカは、日本を含めた同じ価値観を持つ他国からの支援がさらに必要になると。日本はこの地域の安定と平和のために積極的に関わっていくと考えられます。アメリカは何を日本に期待しますか。
イアン・ブレマー氏:日本は、アメリカ政府の正当な評価を受けていないことが多いです。私がバイデン政権や共和党や議会の指導者たちに話を聞くと、ロシア、中国、ヨーロッパの話題になることが多いが、あまり日本には注目していなかった。それは変化しつつあります。中国の脅威が増すとともに日本の存在は重要になっています。もうひとつの理由は、政治的に非常に安定していること。現在、多くの国で過激なポピュリストが支持を集めています。誤情報の影響が大きい。主要な民主主義国の中では、日本は一番その影響が少ない。アメリカにとっては、日本の政治的安定が、ますます重要です。アメリカ人もそれを認識します。過去10年、20年よりも、日本は、今後、重要な役割を果たす存在になっていきます。
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